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T98-Nextについて

T98-Next

PC-9801シリーズのエミュレーターです。PC-9801エミュレーターには色々な種類が公開されていますが、私が試した限りではT98-Nextが最も互換性が高いように思えます。

ただし、イース3で必要になる「COPYキーを押しながら起動させる」といった事に対応していないため、何かを押しながら起動しなければならない場合は、Neco Project IIを使う必要があります。また、ソーサリアンの2段ジャンプもNeco Project IIでないとうまくいかないようです。

ROMの吸出し

PC-9801ではMS-DOSフォーマットのフロッピーをそのまま扱う事ができました。また、PC-9801シリーズ後半では3.5インチディスクドライブ搭載機種が主流になったため、PC-8801やFM-7のような5インチフロッピー搭載機種と比べてROMの吸出しのハードルは低いと言えます。

しかし、たとえ3.5インチドライブが搭載されていたとしても、PC-9801のフロッピーにはいくつか問題があります。

名称 長所 短所
2DD PC/AT機とPC-9801で書き込み密度が同じで互換性がある。 ・PC-9801の外付けドライブのほとんどが2HDのみ。
・フロッピーが入手困難。
2HD
1.2MB
一部の旧機種を除き、3.5インチドライブ搭載機種なら、PC-9801ほぼ全機種で使用可能。 PC/AT互換機では3モード対応ドライブが必要。
2HD
1.44MB
3.5インチドライブ搭載機種なら、PC/AT互換機ほぼ全機種で読み書き可能。 PC-9801では3モード対応ドライブと、MS-DOS6.2以降が必要。

2DDの問題は、フロッピーの入手困難さと外付けドライブでの互換性だけですので、なんとか2DDフロッピーを入手して、3.5インチドライブを搭載したPC-9801を使うのが良いでしょう。

無事2DDフロッピーが入手できたら、Windows機で
C:\>FORMAT A: /T:80 /N:9
としてフォーマットした後、ROMMAKE.EXEをコピーします。

PC-9801にてMS-DOSを起動します。2HD1.44MBフロッピーを使う場合は、6.2以降が必要です。2DDや2HD1.2MBを使う場合は、MS-DOS3.1以降であれば大丈夫です。CONFIG.SYSに、
DEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE
という記述がある時は、コメントアウトして再起動します。また、WindowsのDOSプロンプトでは使うことができません。

プロンプトからフロッピーにあるROMMAKE.EXEを起動します。フロッピーに
BIOS.ROM
SOUND.ROM
FONT.ROM
が書き込まれますので、それをT98-Nextをインストールしたディレクトリにコピーします。

フロッピーのイメージ化

PC-9801シリーズも後半の機種のほとんどが3.5インチフロッピー搭載であったため、ゲームソフトも後半に発売されたものは3.5インチ版が多かったと思います。

しかし、PC-9801シリーズで1.44フォーマットの読み書きができたのは最後の方の機種のみであるため、ゲームソフトはほとんどが1.25フォーマットといって良いでしょう。したがって、PC-9801シリーズのゲームソフトの吸出しには、1.25フォーマットが読めるドライブが必要となります。

現在(2018年)では、マザーボードのFDコネクタに接続するタイプのもので3モードのものはほぼなくなってしまいましたが、USB接続のドライブではまだ3モード対応のものがあるので探してみてください。

ベクターからディスクイマージュというソフトをダウンロードします。
DiskImage_13b.zipファイルを解凍して、DiskImage13b.exeを起動します。



Windows:
これを実行しているOSがXP/2K(つまり、WindowsXP/2000)か、95/98(つまりWindows95/98)かを選択します。

FD drive:
フロッピードライブレターを指定します。ただし、Fまでしか指定できないので、外付けUSBのFDドライブがIとかJとかになっていると指定する事ができません。なるべく、外付け装置(ハードディスク、カードリーダーなど)がついてないPCをイメージ化専用にするのが良いでしょう。

FD mode:
1.44M、1.25M、1.21M、720K、640Kから選択します。1.25Mや1.21Mは、フロッピードライブが3モード対応ではない時は指定自体はできますが、エラーになってしまうと思います。

FD->HD:
フロッピーから読み込んでイメージファイルを書き込みます。イメージファイルの拡張子は、このディスクイマージュ内では特にデフォルト値等は指定されてませんが、慣習的に.xdfとしています。

HD->FD:
イメージファイルを読み込んでフロッピーに書き込みます。

T98-Nextの起動
エクスプローラからNext.EXEをクリックして起動します。


FDD DRIVEの1番の所にある空欄(横長の四角)をクリックして、ディスクイメージを選択します。2ドライブ必要なゲームでは、2番のドライブにもイメージをセットしてください。左上の[電源]ボタンをクリックするとPC-9801が起動し、フロッピーイメージからブートします。

ブートしない場合は、XM7同様ディスクエラーやコピープロテクトが原因として考えられます。特にPC-9801全盛期には途中プロテクトに凝ったものが多く、途中までゲームが進行しても途中から絶対にエンディングまで行かない状態になる場合があります。詳しくはコピープロテクトについてをご覧ください。

Neco Project II

こちらもPC-9801エミュレーターですが、T98-Nextは486以降のCPUを搭載したPC-9801のエミュレートだったのに対し、 こちらはPC-9801VM、PC-9801VX、PC-286のエミュレートです。



なので、イース1、ロマンシア、ソーサリアン、スタークルーザーといった386以降もしくは486以降のCPUではうまく動作しないゲームであっても、 Neco Project IIでは動作する場合が多いようです。 こちらで確認したところ、T98-Nextではうまくいかなかったソーサリアンの2段ジャンプも、Neco Project IIでは8キー押しっぱなしでOKでした。

また、イース3のようなCOPYキーを押しながら起動するといった操作が必要な場合は、T98-Nextではうまくいかないようです。

Neco Project IIは、実機BIOSがなくても動作しますが、あった方がより互換性が高まるようです。 ROM-BASICを必要とするソフトでは実機BIOSが必須となります。

ディスクイメージはd88のみなので、ディスクイマージュ形式になっている場合は事前にVIFC等で変換しておく必要があります。

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