拡張バスの規格
拡張バスとは
拡張バスとは、パソコンの後部についている拡張カードをさすためのバスです。
かつては、マザーボード上にはビデオカードやサウンドカードやLANカードは搭載されていなのが普通で、
それらは拡張バスで必要に応じてさす事になっていたのですが、
まずビデオカードはないとPCが起動しない(プーププというエラー音がする)し、サウンドやLANは今ではほぼ必須だし、
なにより集積回路の進歩によってマザーボード上に容易に搭載できるようになったため、現在では必ずしもここに何かをさす必要はなくなりました。
拡張バスの歴史
かつては、PC-9801にはCバス、PC/AT互換機にはISAバスというものが搭載されており、PC-9801用といえばCバスカード、PC/AT互換機用といえばISAバス用カードをさすのが一般的だったのですが、
しだいにPCIカードが主流となりPC-9801とPC/AT互換機の間で共通して使えるカード登場しました。
しかし、PCIカードではバスが低速のためビデオカードを動かすためには力不足だったため、ビデオカード専用のAGPバスという規格が登場しました。
しかし、すぐにより高速なPCI Expressという規格が登場したため、AGPバスが使われていたのはペンティアム3~ペンティアム4の頃の短期間でした。
ISAバス
8086~80286が主流だった頃に使われていたバスで、主に10BASE-TのLANカードや、サウンドカード、SCSIカードなどがありました。
しかし、ビデオカードで使うにはあまりに低速だったため、ビデオカード用として1つだけPCI、ISA兼用のバスが搭載されたマザーボードもありました。
現在はISAバスの搭載されたマザーボードはほとんど見なくなりましたが、ISAバスが主流だった時期が比較的長かった事や、ハードウェアMIDIや同期通信(半二重通信V.26bis)といった、
現在ではほとんど需要のないカードはISAバスのものしかないものもあり、そのために特注品でISAバスの搭載されたマザーボードが生産されているものがあります。
△ISAバス
PCIバス
かつての主流で、汎用性が高く、現在でもほとんどのマザーボードに搭載されています。ただし、少しずつPCI Expressに移行しており、搭載されていても1つか2つしか搭載されていないものも多くあります。
やはりビデオカードで使うためには低速であったため、ペンティアム3~ペンティアム4の頃はAGPバス+PCIバスという組み合わせが一般的でした。
PCIとISAは裏表が逆になっており、ISAバスは部品(コンデンサとか抵抗器とか)の部分を上にしてさしますが、PCIは基盤の部分を上にしてさかさまに挿すようになっています。
AGPバス
ビデオカード~CPU間においては、より高速にデーターをやりとりする必要があったため、PCIバスでは力不足でした。そこでより高速なバスとして登場したのがこのAGPバスです。
AGPバスには3.3V、1.5V、0.8Vがあり、3.3Vと1.5Vには互換性がないので、誤挿し防止のために切り欠きの位置が異なっています。しかし、マザーボードによっては3.3Vと1.5Vの両方に対応しているものがり、
その場合3.3Vでも1.5Vでもどっちでも挿せるように溝が2箇所ついています。
同様に、ビデオカードによっては3.3Vと1.5Vの両方に対応しておりものがあり、その場合切り欠きが2箇所ついています。
秋葉原で激安(1個100円ぐらい?)で売られているビデオカードの中には3.3V専用のものがあり、その場合、どちらでも挿せるマザーボードは重宝します。
1.5Vと0.8Vは切り欠きの位置が同じです。これは0.8V用のビデオカードは1.5Vでも動作するように規格で定められているためです。
△AGPバス(1.5V用)
PCI Express
PCIバス、AGPバスはパラレルインターフェイスであったため、転送速度に限界がありました。そこで、シリアル転送を採用し、より高速な転送を可能としたのが、このPCI Expressです。
名前はPCIバスと似ていますが、互換性はありません。
現在では、ビデオカード用に16レーンのポートが1つ、低速(サウンドとかUSBとか)カード用に1レーンのポートが1つという組み合わせが一般的です。
PCI Expressの特徴として、マザーボードとカードのレーンの数が合ってなくても使えるという点です。
例えば、ビデオカード用の長いレーンにサウンドカードの短いコネクタを挿しても使えますし、
低速カード用の短いレーンにビデオカードをはみ出して挿しても使えます。
ただし、その場合遅い方に合わせられますので、余った部分(レーンもしくはカードのコネクタ)が無駄になります。
AMRバス
オーディオモデムライザーカードバス。その名の通り、内蔵オーディオ(サウンドカード)をモデムとして使うためのバスです。
しかし、実際にはAMRバスに対応したカードはほとんど発売されず、また同じAMRバスであっても裏表が逆でささらないものがあったりと、
互換性に色々問題があり、ほとんど使われる事はありませんでした。
また、PCIバス用のモデムカードはさほど高価ではない上に、そもそもインターネットの普及によってモデムそのものの需要もなくなり、
このバスが搭載されたマザーボードが作られた期間はほんのわずかでした。
CNRバス
コミニュケーションネットワークライザカードーバス。モデムではなくLANのインターフェイスが搭載されたライザーカードですが、 直後にリアパネルにLANのコネクタがつくものが主流となったため、ほとんど使われる事はありませんでした。
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