このエントリーをはてなブックマークに追加

CPUの規格

CPUの規格

CPUは6809やZ80や8086の頃はマザーボードに半田付けされており、交換はできないのが普通でした。それが486CPUができた頃、「オーバードライブプロセッサ」という規格が誕生し、 486SX→486DX、または486DX→486DX2というふうに、CPUをグレードアップする事ができるようになりました。

さらにペンティアムやペンティアム・プロの頃になると、マザーボードにはCPUソケットが搭載され、CPUが交換可能になりました。そこで、サイリック社やAMD社がインテルと互換性のあるCPUを開発し、インテル製よりも安価で販売した事によって、 CPUはPCを組み立てる側が選べるよになりました。

CPUには大きくわけて、
ソケット
スロット
LGA
があり、さらにそれぞれにソケット3とかソケット5とかソケット370とかがあります。

CPUソケット

ソケットに穴があいておりソケット側がメス、CPUにトゲトゲ(?)がついておりCPU側がオスとなっています。初期のものに、
Socket3
Socket5
Socket7
があります。なんで番号が飛んでるのかというと、偶数番号のソケットはお察しください。

Socket3は486用、Socket5は初期の(MMXじゃない)ペンティアム用、Socket7はMMXペンティアム用ですが、特にSocket7用にはAMD K5やサイリックス686といったインテル互換CPUにも多く対応しており、(というか、AMDやサイリックスが合わせたのだが)、初期のソケットの中では比較的長く使われました。

後期のものに、
Socket370
Socket423
Socket462
があり、370は主にペンティアム3、423は主にペンティアム4用、462は主にアスロン用でした。この頃になると、インテルとAMDは別のソケットを使うようになったため、 インテルを使うかAMDを使うかの選択はマザーボード購入前にしなくてはならなくなりました。 これ以降はLGAが主流となり、ソケットは使われる事がほとんどなくなりました。


△ソケット370


△ソケット478

CPUスロット

ペンティアム2が開発された時に、「2次キャッシュをもっといっぱい積めば速くなるんじゃね?」って事で、CPUとSRAM(スタティックRAM)をセットにしてスロットに挿入するようにしたのが、このCPUスロットです。 ファミコンカセットに似ていた事から「高級ファミコン」とも呼ばれていました。

スロット型のCPUは、コア欠けやピン折れといったミスを少なくし組み立てを楽にさせるため、私的には良いと思ったんですけど、 やっぱりケース内でスペースを食うのと、CPUとマザーボードの間にプリント基板のコネクタが入る事で電気抵抗が大きく、またノイズの影響も受けやすなり、CPUの速度を上げられなくなるという問題が発生しました。 また、その後のSRAMの小型化によって、スロット型にせずとも石の中に2次キャッシュを内蔵させる事にも成功したため、すぐに使われなくなりました。

スロット1がペンティアム2、ペンティアム3用で、スロットAがアスロン用です。最初、AMD社がスロット1と互換のアスロンを作ろうとしてたのですが、 インテル側から権利の侵害だとクレームがつき、やむなくスロット1とスロットAの互換性をなくし、切り欠きの位置を逆にしたという経緯があります。

ペンティアム3は当初スロット1用だったのですが、すぐにソケット370用に変更になりました。ソケット370が出回りだした初期の頃は、マザーボードにソケット370→スロット1に変換できるアダプタ(スロットケット)がついているものもありました。

LGA

ソケットとは逆に、マザーボード側にピンがついていて、CPU側は穴ではなく接点のみがついているタイプです。LGAと対になる言葉としてPGAがあり、CPUソケットとスロットを合わせてPGAと呼ばれる事があります。

最近ではほぼLGAのタイプです。CPUは接点だけなので、CPUの足を折ってしまうというミスはなくなりましたが、逆にマザーボード側のピンを曲げてしまうというミスが発生するようになりました。 私の場合、マザーボード上のピンにシリコングリースをつけてしまうという痛恨のミスをして、マザーボードを1つダメにした事もあります。(CPU交換時にシリコングリースが指につく→指からLGAのフタにつく→フタが突然閉まる→コネクタにシリコングリースがベチャっとついてしまう) なので、このタイプは苦手なのですが、主流になっちゃったんだから仕方ないですね。

LGAは主に、
LGA775
LGA1156
LGA1155
LGA1150
があります。1156以降、名前が似ていますが、互換性は全くありません。 これから組み立てる時は、マザーボードとCPUのLGAの規格が一致しているかどうか、目を皿のようにしてよーく確認してください。 ただし、CPUクーラーにだけ関して言えばプッシュピンの位置が115xシリーズは同じなので互換性があります。 また、775と115xシリーズはプッシュピンの位置が少し違うだけなので、SHURIKEN-Bのように両方に対応したものもあります。

なお、AMD社のCPUのインターフェイスは、相変わらず「ソケットなんとか」っていう名前ですが、最近のCPUはほぼマザーボードがオス、CPUがメスの、いわゆるLGA形式です。

インテルも、LGA1151まではSocket Hなんとかという別名をつけていましたが、誰も呼ばないのでLGA1200から別名がなくなったようです。GoogleでSocket Hで検索しても、Linuxのソケット通信の<include socket.h>に関する記事ばかりヒットするので、いかに「ソケットHなんとか」という呼び名が浸透しなかったかというのがわかります。

名称 またの名を 対応CPU
LGA775 Socket T Core 2 Duo、Core 2 Quad等
LGA1156 Socket H 第1世代 core i なんとか
LGA1155 Socket H2 第2世代~第3世代 core iなんとか
LGA1150 Socket H3 第4世代~第5世代 core iなんとか
LGA1151 Socket H4 第6世代~第9世代 core i なんとか
LGA1200 第10世代~第11世代 core i なんとか
LGA1700 第12世代 core i なんとか

LGAの後ろの数字はマザーボード側のピン、CPU側の接点の数です。数字が大きければ大きいほど新しいわけではないので、注意が必要です。例えば、1151の方が1156よりも新しかったりします。

Core i なんとか(i3とかi5とか)の世代が違うと互換性がないので、マザーボードの対応世代とCPUの世代は必ず合わせる必要があります。

このサイト内 Z270M-PLUSでトホホ という記事を見ればわかるように、LGA1151には6世代~7世代用と、8世代~9世代用があり、6・7世代用のマザーボードと8・9世代用のマザーボードには互換性がありません。ソケットの形は同じなのでCPUは入っちゃいますが、まったく動作しないので注意が必要です。互換性がないのだから、ピン数が同じでもソケットの切り欠きの形を変えてLGA1151-Bとかにして欲しかった気もします。

CPUの世代は、CPUの名前をGoogle検索窓にコピペすれば、インテルのホームページがヒットしてわかると思います。簡単な見分け方としてはcore iなんとかシリーズは箱の色・デザインが世代ごとに異なるのと、core iなんとか-に続く数字が第1世代を除き世代の数字になっています。ただし、第1世代の頃はCPUの名前にそのような法則をつけていなかったために、8がつくから8世代かと思って購入したら第1世代だった、みたいな事があるので、購入前にちゃんとGoogle検索してCPUの世代を確認しましょう。

このような危険があるため、私は以前に失敗して以降、CPUやメモリ、マザーボードを購入する時はできる限り店頭ではなく、じっくり検索してから購入できる通販(アマゾンとか)を使うようにしています。

GPU非内蔵タイプ

Pentium~core 2 なんとかの頃は、マザーボードによって

①マザーボードにGPU(グラフィックコントローラー)が内蔵おらず、別途ビデオカードを購入しなければまったく映像が出ない
②マザーボードにビデオカードがオンボードで内蔵されている

という2つのタイプがありました。しかし①では別途ビデオカードをPCI expressバス等ににささないと画像がまったく表示されませんし、②ではマザーボード上内蔵のビデオカードは大抵は低性能で、主にゲームをする目的でPCを組み立てる人は別途ビデオカードをPCI expressバスにさしたりしていました。

core iなんとかシリーズからは、CPUにGPUが内蔵されており、グラフィックの処理も全てCPUで行うようになりました。それにより、リアパネルにDVI端子やHDMI端子の出ているマザーボードであっても、マザーボード上にはGPUが搭載されないようになりました。

しかし、人によっては、それでもCPU内蔵のGPUでは満足いかず、外付けの高価なビデオカードをつける人がいます。主に高速処理を必要とするゲームをする人、業務で画像処理をする人(ユーチューバーなど)です。そういう人にとっては、CPU内蔵のGPUは価格をつり上げているだけで全く不要な機能です。

そこで、core iなんとかシリーズには、末尾にFがつくものがあります。CPU名の末尾のFは、GPU機能がついてない事を示しています。この場合、別途ビデオカードをPCI expressにささないと画面が全く表示されません。ビデオカードはマザーボード内蔵のもので十分、と思っている人は、末尾FのCPUは購入しないようにしましょう。

このページの先頭へ
  広告