このエントリーをはてなブックマークに追加

ケースの規格

ケースとは

ケースとはパソコンを入れる箱です。といってもダンボールではありません。鉄とかアルミとかの金属でできてる箱です。 PCケースというのは和製英語で、英語圏ではchassis(シャーシ)と呼びます。なので、マザーボードのマニュアルでジャンパの説明のところに「chassis open」とかあるのは、ケースのフタが開けけられた事を検出するかどうかっていう事です。

ケースがなければPCは動きません・・・なんて事はありませんが、よっぽど変わった人でもない限りケースなしのPCなんて使わないでしょうから、 ケースは必需品として扱います。

ケースの規格

パソコンの規格はめまぐるしく変化しています。ハードディスクI/Fの規格など、SCSI→IDE→E-IDE(ATA)→SATAと短期間に何度も変更になっていますが、 ケースの規格は昔と今でほとんどかわりません。したがって、保存状態が良ければペンティアム2の頃のケース+最近のマザーボードという組みあせせもできなくないです。 ただし、リアパネルが昔と今で大きく変化しており、リアパネルがつくりつけの場合は最近のマザーボードが入らない場合がります。

ケースの規格はマザーボードの規格に合わせて作られています。したがって、マザーボードの規格≒ケースの規格とみなして問題はありません。(問題あるぞ、っていう人もいるかもしれませんが・・・)

マザーボードの主な規格
ATX
・MicroATX
・FlexATX
BTX
DTX
「他にもあるだろゴルァ」とか言われそうですが、主なものです。細かい事はWikipediaで調べてください。

色々あるわりには、ATXとMicroATXがかなり広まってしまっていて、他の規格がいまいち流行っておりません。マザーボードの規格がそんなに変わらないのも、特に変える必要もないからと思われます。

ATX

ATXでGoogle検索すると、まず最初に出てくるのがアニメ専門チャンネル「AT-X」ですが、それとは全然関係ありません。 ATXはマザーボードの規格の1つです。 かつて、ペンティアム2の頃はこちらが主流でした。

△自作PC弐号機

しかし、ATXのマザーボードは非常に縦長であるため、ATXのPCケースも非常に縦長になってしまいます。

△自作PC参弐号機とディスプレイ

写真のように、ブラウン管ディスプレイよりもさらに高くなっており、パソコンデスクによっては高さが足りず設置できない場合もあります。

ペンティアム2が主流だった当時は、マザーボード上に標準でビデオカード、LANカード、サウンドカードが搭載されていない事が多く、そのためISAやPCIバスに多くのカードを挿す必要がありました。そのため、 マザーボード上にも多くの拡張バスが搭載され、縦長になっていました。 しかし、近年マザーボードにビデオカード、LANカード、サウンドカードは内蔵されるようになり、拡張バスをさほど必要としなくなりました。そのため、 現在はMicroATXが主流となっています。

MicroATX

ATXの縦幅を短くしたものが、MicroATXです。現在はこちらが主流です。

「大は小を兼ねる」と言いまして、ATX規格のケースにMicroATXのマザーボードを取り付ける事ができます。その場合、下の方が空きスペースになります。 逆に、MicroATX規格のケースにATX規格のマザーボードは入りません。これは箱よりもマザーボードの方がサイズが大きい(縦長な)ためです。

AT

ATXのさらに前の規格で、ATXはまだ各種コネクタが「リアパネル」という一箇所にまとまっているのですが、それより前は、 COM1、COM2、パラレルポート、VGAをそれぞれ個別にネジ止めしなくてはなりませんでした。

ちなみに、現在ではパラレルポートやCOMポートがリアパネルに出ておらず、マザーボード上のピンとしてのみ存在しているマザーボードも多く、 その場合大抵は拡張バスにブラケットをつけてひっぱり出すのですが、そうではなく、かつてのAT規格のマザーボードのように、 COMポートやパラレルポートを個別にネジ止めして取り付ける事ができるようにその部分だけリアの鉄板をくり抜けるようになっているものもあります。

というように、COMやパラレルポートに関してはAT規格が見直されつつあります。

リアパネルの問題

昔のマザーボードは、リアパネルに出ているI/Fはほぼ決まっていて、PS/2キーボード、PS/2マウス、COM1、COM2、パラレルポート、ゲームポート、MIC、Line-IN、Line-OUTぐらいでした。 このうち、サウンド機能内蔵でないマザーボードはゲームポートとMIC、Line-IN、Line-OUTがないのでそれを「シングルデッカー」、サウンド機能内蔵のものを「ダブルデッカー」と呼んでいました。

ところが、PCのI/Fは変化が激しい上に、マザーボードに内蔵搭載されているI/Fにもさまざまな変化がありました。 まだ、VGA内蔵ぐらいであれば、COM2のかわりにVGAをつける事で(COMとVGAはコネクタの形状がほぼ一緒)、シングルデッカー、ダブルデッカーをそのまま流用できたのですが、 その後、LAN内蔵は当たり前、USB内蔵はあたり前になり、さらにPS/2はないのが当たり前になったり、ゲームポートはないのが当たり前になったり、 内蔵サウンドが5スピーカー対応になったり、USBにしても3.0があるものとないものがあったりと、 マザーボードごとにリアパネルに出ているI/Fは違うのが当たり前になってしまい、リアパネルの種類が2種類ではとても足りなくなりました。

そこで、最近のPCケースではリアパネルはついておらず、マザーボードの方にリアパネルがついているのが普通です。 したがって、昔のPCケースでリアパネルがつくりつけになっているものは、マザーボードとケースの規格が同じであっても使用する事はできません。


△リアパネルつくりつけの自作PC初号機(シングルデッカー)


△ダブルデッカー

電源ユニット

電源ユニットは、ATX規格のケースにはATX電源を搭載する事ができます。 じゃあ、MicroATXケースには、MicroATX電源を搭載するのでしょうか? いいえ、MicroATXケースにもATX電源を搭載します。

ところが、MicroATXケースとATX電源を購入したのに、入らない場合があります。「えー、Aufheben Softwareのウソツキ、金返せ」なんて言わないで、最後まで読んでくださいね。 MicroATXケースの中には「スリムタイプ」というものがあります。 ケースの幅が狭く、PCIとか、PCI expressカードのうちの「ロープロファイル」を使用するものです。 田舎の広い会社ならともかく、東京のど真ん中にある会社なんて、一人分のデスクのスペースは限られているでしょうから、スリムタイプのPCは重宝されます。 なので、スリムタイプの需要は多いです。最近はPCの集積化が進み、ハードディスクも2.5インチのものでも十分な容量を持つことができるようになり、 また、パラレルATAの普及によって内部のケーブルも少なくなり、スリムタイプを組み立てる人も増えてきました。

スリムタイプのPCの場合、ATX電源は入りません。この場合、SFX電源が入る場合が多いのですが、中にはそのケース専用のものが必要になる場合もあり、 基本的にスリムタイプの場合、ケースと電源ユニットはセットで販売される事がほとんどです。 もし、スリムタイプで電源ユニットが入ってないケースを買う場合、SFX規格の電源ユニットが入るかどうか確認してから購入しましょう。

私も一時期スリムタイプに凝って、スリムタイプをたくさん組み立てたのですが、なにせ不器用なもので、IDEケーブルを破損させてしまったり、あっちこっちぶつけてCD-ROMのベイを傷つけてしまったりと さんざんだったので、スリムタイプで組み立てたPCは全部タワー型のケースに移してしまいました。 また、スリムタイプではどうしてもファンが小さくなり、その分回転数を上げなければならないため、ファンの音が大きくなってしまうのも弱点です。

このページの先頭へ
  広告