このエントリーをはてなブックマークに追加

ディーバ?二木神居の試練

ディーバ?二木神居の試練

ディスクイメージをダウンロード
daiva7.d77をダウンロード

XM7を起動
XM7を起動します。ROM BASICの画面が出たと思います。

F-BASIC 3.0 システムディスクを起動
ドライブ0に、F-BASIC 3.0のシステムディスクを入れて【F12】を押してください。F-BASIC 3.0のシステムディスクはライセンスの関係上配布できませんので、各自で用意してください。

HowMany disk drives?
HowMany disk files (0-15)?
のお馴染みの問いには、リターンキー(Enterキー)を2回押してください。

ディスクを交換
ドライブ0を、さきほどダウンロードしたディスクイメージに交換します。
ドライブ0→開く→daiva7.d77

プログラムを起動
プログラムを起動します。

RUN "STARTUP
と入力してリターンキーを押してください。(下画面参照)


デモ画面が起動します。デモはエンドレスなので、ゲームを開始する時は、スペースキーを押してください。ちなみに、スペースキーを押しても即座にゲームが始まるわけではなく、「きりがいい所」でデモが終わり、ゲームがスタートします。(リアルタイムキースキャンではないので……)

遊び方

ルール
あなたは主人公、二木神居となり、悪の帝王シヴァルドラ率いる帝国軍の支配する惑星を解放し、帝国軍の艦隊を全滅させる事が目的です。

勝利条件には2つあります。
通常勝利 ・・・ ナーサティアを除く帝国軍の支配する惑星を傘下に治め、帝国軍の艦隊を全滅させれば通常勝利となります。
完全勝利 ・・・ 帝国軍の本星である『ナーサティア双惑星』を占領すれば完全勝利となります。
ただし、ナーサティア双惑星に行く方法は謎です。これは、艦隊戦に勝利した時などにヒントが得られますので、これを参考に謎を解読し、ナーサティア双惑星に行く方法をつかんでください。

なお、自軍の支配する惑星が全滅し、艦隊も全滅してしまった場合は、敗北となり、ゲームオーバーになります。

ゲームの進め方

ゲームは通常戦略モードですすめていきます。また、惑星を攻撃するときは惑星戦モードとなり、敵艦隊を対戦するときは艦隊戦モードとなります。

戦略モード
戦略モード
注:
・実際の表示はすべてカタカナで、惑星の名前は出てません。
・FM-7版では、八王子方面から他の星系に行く機能はありません。
・「亀戸の場所にあるべきなのは西船橋では?」とか、「南浦和から高麗川経由で立川方面に行くのはおかしい」といった細かいツッコミはナシでお願いします。(作った時はあんまし詳しくなかったんです。)

ヴィシュヌ銀河では、それぞれ、八王子、立川、高麗川、大宮、新宿、などの名前のついた惑星があり、それぞれが『JRライン』と呼ばれるワープ航路で結ばれています。一番近い惑星でも数万光年離れており、ワープ航路が通ってない惑星に直接移動する事はできません。

赤い星帝国軍の占領下にある惑星

青い星自軍の占領下にある惑星

緑の星中立な惑星

赤に緑の線帝国軍と同盟を結んでいる惑星

青に緑の線自軍と同盟を結んでいる惑星

赤い線帝国軍の情報航路のあるJRライン

青い線自軍の情報航路のあるJRライン

黄色い線共通の情報航路のあるJRライン

緑の線情報航路のないJRライン

※FM7版ではルールを簡略化するために、JRラインの色はゲームの進行に影響がありません。どの色のJRラインでも、敵・味方問わずに利用できます。

キーの操作

【ESC】キー:何もせず、1ターンやり過ごします。その間に敵は進軍していますので注意してください。
【2】【8】キー:黄色い反転色を上下に移動させ、コマンドを選択します。
【スペース】:現在選択されているコマンドを実行します。

コマンドの説明

ASSIGNMENT
新しい艦隊を配備します。艦隊は最高3つまで配備できます。ただし、そのためには軍資金1000円が必要です。軍資金は、1ターンごとに50円が、自分の支配下にある惑星から、それぞれ税金として入ります。支配下にある惑星が多いほど、軍資金は多くたまります。

このコマンドを選択し(資金が十分ならば)、どの惑星に艦隊を配備するかを【4】【6】キーで選択してください。ただし、自群の植民星(青色の星)でなければ配置する事はできません。艦隊は最高で3艦隊まで配備できます。

TACTICAL MOVE
艦隊を移動させます。このコマンドを選ぶと、次に移動させる艦隊を聞いてきますので、【4】【6】キーで選択してスペースキーで決定します。ゲーム開始当初は、艦隊が1つしかないので、そのままスペースキーを押します。

次に、どこに移動させるか聞いてきますので、同様に【4】【6】キーで選択してスペースキーで決定してください。ただし、JRラインの通じてない惑星には移動せきません。

FLEET BATTLE
艦隊戦。敵艦隊が同じ惑星上にいる場合、敵艦隊に対して艦隊戦を仕掛けることができます。詳しい操作方法については、艦隊戦の所をご覧ください。

PLANET BATTLE
惑星戦。自分の支配下にない惑星を攻撃します。攻撃に成功すると、その惑星が自軍の支配下となります。 同盟星を攻撃して失敗すると中立星となります。

敵の艦隊が同じ惑星にいる場合や、既に自軍の支配下にある場合は、惑星戦はできません。詳しくは惑星戦の所をご覧ください。

その他ランダムに発生する事
自軍や帝国軍の支配下にある惑星にクーデターが発生し、中立星に戻ってしまう事があります。また、逆に中立星が自軍や帝国軍の同盟星になる場合もあります。 また、自軍の惑星内において、防衛力が低下したり、逆に増加したりする場合があります。

ゲームの終了条件

1.敗北
自軍の支配下にある惑星が全滅し艦隊も全滅してしまった場合、敗北となりゲームオーバーになります。 といっても、よほどワザと負けようとしない限り敗北にはならないとは思います。

2.通常勝利
帝国軍の惑星をすべて解放し、帝国軍の艦隊を全滅させると通常勝利となります。

3.完全勝利
画面、右下にある『ナーサティア双惑星』を占領する事によって、完全勝利となります。ナーサティア双惑星に行く方法については、ゲームを進めていく上で次第にあきらかになります。

攻略のヒント
・ナーサティアは惑星千葉より南の、房総方面にあります。ナーサティアに行くためには惑星千葉がポイントになりそうです。
・ナーサティア上空には「ヴリトラ」と呼ばれる防衛マシンがいて、うかつに進入すると艦隊が全滅してしまいます。ヴリトラに対抗するためには、新型のOM砲が必要です。
・どうしてもわからない場合は、BASICで作られているので、Breakキーを押してLISTを見ればわかってしまうかもしれません。

艦隊戦モード
艦隊戦
艦隊同士が戦います。

まず、自軍の艦隊を移動させてください。移動には【2】【4】【6】【8】キーでカーソルを移動させ、スペースキーで船をつかむ/離す、して、移動させてください。

スペースキーを1回押すごとに、自軍の船をつかんだり、離したりできます。 自軍の船の配置が終了したら、【S】キーを押してください。戦闘が始まります。 船には『戦艦』『駆逐艦』『ミサイル艦』『OM艦』があり、それぞれに武器、耐久力をもっています。それぞれの船の耐久力が0になると消滅します。

敵の船は1ターンに1マスしか移動する事ができません。そのために、ハンデとして、必ず敵の方から先制攻撃をします。その事をよく考えて、自軍の船を配置してください。

どちらかの艦隊が全滅すると、艦隊戦は終了し、全滅した方の艦隊は、マップから除外されます。ただし、帝国軍は、支配下惑星が1つでも残っていれば、艦隊が全滅してもすぐに新艦隊を再配置します。

FM7版はルールを簡単にするために、【E】キーを押すことでいつでも艦隊戦から抜けることができます。どんなに不利な状況でも【E】キーを押せば必ず逃げられるようになっています。また、逃げると両軍の戦力はすべて回復します。

武器の特徴

ミサイル:戦艦、駆逐艦、ミサイル艦から発射されます。敵からの距離が遠くなると、それだけ命中率が落ちます。ただし、威力はかわりません。味方の後ろから撃つことができません。

OM砲:戦艦、駆逐艦、OM艦から発射されます。敵からの距離が遠くなると、それだけ威力が落ちます。ただし、命中率はかわりません。味方の後ろからでも撃つことができます。

戦艦:耐久力3。ミサイルとOM砲を3発ずつ発射します。前方に味方がいる場合はミサイルは発射しません。
戦艦

駆逐艦:耐久力2。ミサイルとOM砲を1発ずつ発射します。前方に味方がいる場合はミサイルは発射しません。
駆逐艦

OM艦:耐久力1。OM砲を1発だけ発射します。
OM艦

ミサイル艦:耐久力1。ミサイルを1発だけ発射します。前方に味方がいる場合は発射しません。 っていうか、ほとんど盾のかわりにしかなりません。
ミサイル艦

隕石:耐久力3。耐久力が0になると消滅します。盾として利用する事はできますが、動かす事はできません。
隕石

攻略のヒント
・ミサイル艦はほとんど役に立ちません。戦艦の盾代わりしましょう。
・敵の戦艦がミサイル3発とOM砲3発発射するので、その数だけ発射したときに、ちょうど自軍の戦艦が一番前にくるように、盾代わりのミサイル艦を配置しましょう。敵の戦艦1機あたりミサイル艦3機でちょうどです。
・OM艦は後ろから攻撃できる事を利用し、戦艦の後方に配置しましょう。

艦隊戦に勝利すると…
艦隊戦に勝利すると、ゲーム完全勝利のためのヒントが表示される事があります。見逃さずによく読んで攻略のヒントとしてください。

惑星戦モード
惑星戦
惑星戦では、自軍の艦隊から汎用人型ロボットを惑星に降下させ、敵ロボットと戦います。ここでは完全アクションゲームとなっています。 惑星上の敵(浮遊機雷を除く)をすべて破壊すれば勝利となり、その惑星は自軍の支配下にする事ができます。

敵もしくは浮遊機雷に接触するか、ビームを発射するとエネルギーが減少し、0になると攻撃できなくなります。その時は【E】のキーをおして撤退してください。

※本当のディーバでは、攻撃に失敗すると艦隊が全滅してしまうのですが、FM7版ではゲームを簡単にするために、撤退しても艦隊が失われる事はありません。またエネルギーの減少に比例して艦隊が減ることもありません。

キーの操作
【1】【2】【3】【4】【6】【7】【8】【9】ロボットを移動させます。
【5】FM7ではお馴染みの固定キーです。ロボットをその場で停止させます。
【Break】ビームを発射します。
【E】あきらめて撤退します。 (大文字のEです。)
【?】V-MAXを発動させます。どのキーかは秘密です。壁を突き抜けられるようになりますが、レイズナーのような体当たりで敵を倒す事はできません。元々デバッグ用なので、通常は使用しません。

攻略のヒント
・敵は飛び道具を使いません。よって、いくら敵に接近しても、接触しない限りダメージを受ける事はありません。
・自軍のロボットは、なかなか思うような方向を向いてくれませんが、いったん斜め上を向いてから横を向くと、比較的楽に方向を変える事ができます。
・敵は、下に降りる事はできても、上にあがる事はできません。段差のある所を乗り越えたり、上ってくることはないので、敵より上の段に立っていればゆっくり狙いをつける事ができます。
・敵は突起を越えることができません。自機と敵の間に突起がある場合は、そのまま止まってゆっくり狙いをつける事ができます。
・FM-7版ではゲームを簡略化するために惑星戦の失敗によるペナルティはありません。ゲームに慣れるまで、何度も挑戦してみてください。

敵キャラ
惑星ごとに敵キャラが異なります。敵キャラは絵が異なるだけで、動きのアルゴリズムは同じです。

S.MUKAIS.MUKAI
元々は、ダウンスクロールのマスコットキャラだったが、シヴァルドラが気に入って惑星防衛用ロボットのデザインに採用した。

まいど君まいど君
元はアニメ雑誌のマスコットキャラだったが、雑誌が休刊して路頭に迷っている所をシヴァルドラが拾ってきて量産し、惑星防衛用ロボットとして利用している。

メイガス花メイガス花
元々はピンボールゲームに登場する花だったが、ピンボールゲーム中に異常増殖を繰り返し、大量発生してしまったものをシヴァルドラが回収し、惑星防衛用に利用している。

マシンナリマシンナリ
元々はポセイダル軍のB級ヘビーメタルだったが、シヴァルドラがポセイダル軍から安く払い下げてもらい、惑星防衛用マシンとしてそれなりに、B級マシンなり利用している。

パワードアーマーパワードアーマー
元々は『カレイドスコープ七万光年の胞子達』で活躍した強化スーツだったが、それをシヴァルドラが中身を改造して無人化し、惑星防衛用として利用している。

浮遊機雷浮遊機雷
浮遊しているミサイル。ビーム砲で破壊できる。こいつは破壊しなくても面クリアーとなるので、相手にしない方が良い。

ストーリー

ゲームのクリアには関係ありませんが、この「ディーバ?二木神居の試練」のストーリーを紹介します。

OS9教教祖の二木神居(ふたぎかむい)は、ヴィシュヌ銀河全体にOS9を使ったネットワークを組んでいた。そして、独自に開発した検索エンジンを使う事により、銀河中のほぼすべての情報を入手可能になっていた。

その噂をききつけて、ア・ミターバという男が、神居の所を訪れた。

ミターバ「オレ名は『ア・ミターバ』。人を探してほしい。俺の妻が行方不明になってしまった。名は『サティー・ミターバ』だ。ここではヴィシュヌ銀河中の情報を検索できると聞いた。頼む!妻を探してくれ!」

神居  「よかろう」
神居は、OS9をブートさせ、ホストにアクセスを開始した。

神居  「フム、この女性は昨年の12月25日、惑星マトゥラ発の民間船に乗船している。そして、その後何者かに船ごと拉致された、という情報がある。ちょうどその頃、同惑星を海賊『マータリシュバン』が襲っていたそうだ。どうやら、こいつが犯人のようだ。」

ミターバ「ありがとう。恩にきるぜ」
そういってミターバは出ていった。

ミターバは早速、マータリの艦隊を補足した。そして無線で連絡をとった。
ミターバ「マータリ!俺の妻を返してもらおう。お前がさらった事はわかっているんだ。」

マータリ「私があなたの妻を?ご冗談でしょう。今時女なんて一銭の得にもならないでしょう。ご存じの通り、今では人工有機体という、男性の欲求を満たすだけの、人造人間が氾濫してますからねえ。そういえば、その頃、マトゥラの上空でシヴァルドラの船が民間船を捕まえてたのを見ましたよ」
ミターバ「それだ!!。そうか、どうもすまん。じゃあ俺はの辺で...」
マータリ「ちょっ、ちょっとまてぃ!」

ミターバはあわててマータリの艦隊から離脱した。そして、急いで神居に通信をいれた。
ミターバ「神居はいるか!俺だ、ミターバだ」
神居  「いよう、ミターバ、どうだ?かみさんは見つかったかね?」

神居は状況をまったく理解していない。実にのんきな男だ。

ミターバ「お前なあ...なにがマータリだよ、全然違うじゃねーか!おかげで俺はえらい恥をかいたぜ」
神居  「そうか...すまん。」

神居は思った。「駄目だ。このOSでは検索できる範囲に限界がある。民間船をさらった者までの詳細な情報までは検索しきれなかったんだ。」

しかし、もう神居のホストのメモリは一杯だった。そのとき、神居はアクショービアという男が、人工有機体の研究をしている事を知った。
神居「そうだ!この人工有機体をRAMとして利用できれば、メモリは無尽蔵に利用できる!」

神居はさっそくアクショーと連絡を取ろうとした。しかし、アクショーはすでにナーサティア双惑星へと出発した後だった。
神居「そういえば、ナーサティア双惑星では、人工有機体の研究が一番進んでいると聞いたぞ。」
神居はこうして、ナーサティア双惑星へと向かった。

数日後、ナーサティア双惑星。ア・ミターバや、ラトナ・サンバ、アモーガ・シッディ、マータリ・シュバン、アクショービア、クリシュナ・シャークといった男たちが偶然にも同時に惑星上空に集結した。と、その時、遅れてきた艦隊があった。二木神居の艦隊だった。

アモーガとラトナは再会を喜び、ミターバと神居はつかみ合いの喧嘩をしそうになった。と、その時、クリシュナがつぶやいた。

クリシュナ「たぶん俺が...俺が、君たちを呼んだのだ.....1人を除いては。」
神居   「そりゃ、どーゆー意味やねん。」
クリシュナ「少なくとも私は、君など呼んだ覚えがない」
神居   「なんだと!」

そのとき、敵の兵器「ヴリトラ」がおそってきた。8人全員で応戦したが、ヴリトラの前には歯がたたなかった。6人はなんとか逃げ延びたが、ミターバと神居は逃げ遅れてしまった。

しかし、その後2人は敵にまぎれシヴァ・ルドラの船に侵入する事に成功した。
ミターバ「ちっ、よりにもよってお前なんかと」
神居「今はそんな事を言っている場合じゃないだろ」

ミターバと神居は艦内のシヴァ・ルドラをめざしたが、神居は研究室を見つけて横道にそれてしまった。
ミターバ「おい、何やってるんだ、早く行くぞ」
神居「悪い、先に行っててくれ。オレはちょっと、この部屋で調べたいものがある」

そういって神居は研究室に残った。
その後ミターバーは一人戦うが、やがて衛兵に捕まってしまった。そして、シヴァ・ルドラのいる部屋に連行された。

シヴァ 「おやおや、ミターバさん。またお会いしましたね。今度はお友達も一緒とは」
ミターバ「お友達?」

反対側のドアから神居が連れてこられた。
衛兵「さあ、入るんだ!」
衛兵は神居を突き飛ばした。
神居「まったく、君達、もうちょっと丁寧に扱ってくれたまえ」

ミターバ「・・・オレがいつ、こんな奴と友達になった!」
神居  「なんだとぉ?」

シヴァ 「....とにかく、コレを見て下さい」
衛兵に連れられ、一人の女性が入ってきた。そこには、ミターバの妻、サティーの姿があった。
ミターバ「サ...サティー!?生きていたのか?」

シヴァ「違います。サティーさんはすでにこの世にはいません。彼女は『サティーツー』です。サティーさんはあなたの妻だったそうですが、アレは元々私の妻なんですよ。まあ、妻といっても、どうせアレのためだけの妻だったんですから、どうでもよかったのですが。」

それを聞いた神居は、急にニヤついた。

神居「アレとは何だね。アレとは!具体的に説明したまえ!」
ミターバ「おいおい、神居...そりゃマズいって」

シヴァルドラは、顔が真っ赤になった。そして、常に威厳のある態度を取っていたシヴァ・ルドラしては珍しく、激しく取り乱した。
シヴァ「君達は自分の立場が理解できてないようだね。私がその気になれば、君達なんて赤子をひねるように簡単に・・」
神居「いいから早く説明してくれよ。アレって何だね!」

シヴァ「くだらん。実にくらだんよ、君達は。私はね、君達をはるかにしのぐ存在なのだよ、まさに神ともいっていい存在だ。本来ならそんな私に君達が口を聞くことすら許されないはずなんだよ。それを今回はこうして特別にだな・・・」
神居「ふーん、なるほどねぇ・・・。で、アレって何?」
シヴァ「・・・・お、おのれぇぇ、こっちが甘い顔していればつけあがりよって!!」

シヴァ・ルドラは神居に銃口を向けた。その時、神居は怒鳴り声をあげた。

神居「くだらないとは何だね!くだらないとは!!私はただ、いち科学者として君を買っているのだよ。これほどまでに完璧な人工生命体を作り上げた君をね。だから私は知りたいのだよ、その生命体の活用方法とやらをね!」
ミターバ「(んなウソばっかり)」
シヴァ「・・・・・・・」

神居「私は人間の脳をCPUやメモリーとして使う研究をしていた。だが、どうやっても8ビットコンピューター並みのパフォーマンスしか得られなかった。原因は2つある。1つは、人間は生活のために色々な事を覚える。だから、成人の段階で既に空き容量がほとんど残ってないのだ。

もう1つの原因は、右脳と左脳をバランスよく使えない事にある。今の技術をもってしても、どうしても片側ばかり使ってしまう。そのため脳本来のパフォーマンスを得られない。だが、さっき君の研究室を見せてもらって、初めて私の研究の欠点に気がついた。それは、私の被験者は全て男性だった。だが、君の作っていた人造人間は全て女性。そう、脳梁の幅の広い女性の脳こそ、左右のバランスを最も効率良く使うことができるのだ。だから、人工脳コンピューターを作るためには、成人であまり知識のない女性でなければならない。

君がサティーさんを破棄した理由もわかる。サティーさんはミターバ君との生活で、既に生活上必要な常識レベルの知識を詰め込んでしまった。こうなってはもうコンピューターとして利用する事はできないのだろう。だから、君はサティーツーさんという新たな素体を利用しようとした。そうではないのか?」

シヴァルドラは、恥ずかしさを押さえ、何かフッきれたような顔をした。
シヴァ「ああ、そうだ。あの素体、ようやく回収したと思ったら、くだらない記憶がめいっぱいつまっていて既に使い物にならない状態だったのだ。」

その時、ミターバの脳裏には、サティーとの出会い、そして数々の幸せな日々の記憶が蘇った。
ミターバ「くだらない・・・、くだらない記憶・・だと!!!」
シヴァ「ああ。実にくらだらない事に脳の記憶容量を大量に消費していた。あれではもう使い物にならん。だが、脳メモリーの利用など私の研究の単なる副産物にすぎん。私が女の素体ばかり使っていたのが、そんなご立派な目的のためだと思っていたのか?おめでたい奴だ。私の研究は本来、全ての男性が望んでいる究極の活用法のためなのだよ!!それはセッ・・・」

その時だった。サティーツーは、シヴァの右手から銃を奪い、シヴァルドラに向けて乱射した。
サティー「もーー!バカバカバカバカババカ!!!」
サティーはすでに、涙目になっていた。

シヴァ・ルドラはすでに蜂の巣にされ、絶命していた。

ミターバ「だああああ、わかった、わかったから。もー。落ち着けよ。落ち付けってば。」
サティー「もう!ミターバなんて大っっ嫌い」
ミターバ「え?俺がミターバだって何でしってるの?」
サティー「私はサティー...あら?、わからない。遠い記憶があります」
ミターバ「どうなってるんだ。一体??」
神居  「説明しよう。」

神居は突然こう言った。

神居「さっき私は、偶然にもサティーツーさんを管理しているコンピューターの端末を発見しましてね、色々検索してみたら、オリジナルのサティーさんの記憶もコンピューターのメモリーに残っているじゃありませんか。で、試しにそのデーターをサティーツーさんにリストアしてみましてね。まあ、その間に私も捕まっちゃったわけですが、どうやらうまくいっていたようで」
ミターバ「おのれ、人の記憶をおもちゃのように...」
神居「しかしですね、結局は我々は助かったのですよ、むしろ感謝されても...」
ミターバ「するか!!」

こうして、ヴィシュヌ銀河に平和がおとずれた。

クリシュナ「みなさんよくやってくれました。マータリさんには約束通り、皇帝をやってもらいますよ。ラトナさんは親衛隊隊長に、ミターバさんには、マータリさんの副官に、そして...そうですね、神居さんには熱海でファイヤーダンスをやってもらいましょう」
神居「なんで俺だけそんなに落差があるんじゃ!!オレの活躍で世界は救われたんだぞ!!じゃあお前はこれからどうするんだ!」
クリシュナ「もちろん、洞窟のなかで水晶玉をもって裸で立ってる役をやりましょう」
神居「イースじゃねーんだよ!!」

【完】
このページの先頭へ
  広告