第四のユニット3 DUAL TARGET
第四のユニット3
第四のユニット2の続編です。今回から表示が漢字かな混じり表示となり非常に読みやすくなりました。しかし、FM-7では漢字ROM、FM音源カード、FDインターフェイスの3枚を同時に使用する事ができないため、FM音源をあきらめる事になります。
そのためか、FM-7シリーズは5インチディスクでは発売されず3.5インチディスクのみとなり、メーカーとしての正式対応は、漢字ROM標準のFM-77シリーズ以降となったようです。
このゲームでは、「話す」「考える」等のコマンドの後に、喜怒哀楽を指定できるようになっています。とはいえ、それによってゲームが進まなくなったりするわけではなく、逆にどの感情でもゲームは進んでしまいます。逆に言えば全てのリアクションを見るためには、ゲームを何度もやり直さないといけない事になります。もっとも、どこでもセーブができるエミュレーターなら選択肢の直前にこまめにセーブする事で、1回のプレイで全てのリアクションを見る事は可能だと思います。(ただし、かなり面倒くさいです。)
ここでは、ほとんどのコマンドを「怒」モードで選択してみました。どうも、それが一番シナリオにピッタリ合っているようです。(喜モードだとセリフにかなり無理がある場面が多いです。)
統合軍本部
第四のユニット2の事件から3ヶ月後、ブロンウィンはWWWF基地で出会った自分のそっくりさんの事を思い出していました。
と、そこへ突然アンドロイドが襲ってきました。
手にはPPBユニットと越中博士を持っていました。
そこへアッシュがかけつけて来ました。「ブロンウィン、ボーっとしてないで!」
考える→怒→ブロンウィン「なんでアッシュに指図されないといけないのよ!」
話す→怒る→ブロンウィン「なんで博士を守りきれなかったの!」
アッシュ「私だって年中博士についてるわけじゃないわ」
というわけで戦闘になります。
しかし、今回はなぜか関節技がありません。えー、ブロンウィンの一番得意な技なのに。
でもって、今回は「誰が」「誰に」「何をする」ではなく、1対1の戦いになり、「どこを」「どうする」という選択になります。ただ、従来のシリーズと同じように、ダメージを与えやすい選択と、ダメージを受けやすい選択があるようで、一度ダメージを与えやすい組み合わせを発見すれば、後はもうそれだけを選べば良いみたいです。
最初の敵は、腰(CHEST)をひたすらパンチすれば倒せるようです。
負けると「コンティニューせよ(うそ)」と表示され、セーブしたところからやり直しになります。エミュレーターなら戦闘前にどこでもセーブしておけば良いでしょう。
しかし、この絵だけ見ると「女らんま」にしか見えませんな。この絵だけだとらんま1/2のゲームだって言われても信じちゃいそう。っていうか、ブロンウィンの顔が1と2と3で違いすぎ。TVシリーズのルパンじゃないんだから。
倒すと、鎧を来たBSが現れます。
鎧のBSに気を取られている間に、アンドロイドはPPBユニットと越中博士を連れ去っていきました。
本部に戻った3人。
アッシュ「私達は博士の行方について調べるから、あなたはここで待機してて」
話す→怒→ブロンウィン「なによ!私だけ仲間はずれにして!」
話す→喜→ブロンウィン「やったー、今回私は任務なしね」
いずれにしても、アッシュとセスは怒って出ていってしまいました。
学校
翌日登校したブロンウィン。
しかし、クラスメイトが祖父が死んだという話をすると、「じじいが死んでよかったわね」などと、不謹慎な発言連発。いったいどうしたんでしょう?
と、突然、ブロンウインはサイコブラストを放出します。
「りょうこちゃん、一体どうしたんだ?」優介は驚いています。
と、そこにブロンウィンがもう一人現れます。
最初にクラスで暴れていたのは、クローンの一人「スイシーゼ」だそうです。3ヶ月前、WWWFの秘密基地で一瞬だけ会ったブロンウィンのそっくりさん、その人でした。
こうして2人のブロンウィンの戦いになります。
スイシーゼはめっちゃ弱いです。頭をパンチしていれば楽勝で倒せます。
しかし、形勢不利と見たスイシーゼは、クラスメイトに攻撃をしかけます。
と、ここで1コマンド以内に「助ける」を選択します。他の選択肢を選ぶと、最後の最後でバッドエンドになります。(後述)
クラスメイトは助かりましたが、自分が大ケガをしてしまいました。
「自分から飛び出さなければ余計な傷を負わずに済んだのに・・・」
スイシーゼはブロンウィンの行動が理解できず混乱しています。
そこへ、青いプロテクターのBSが現れ、「No7、No4を殺せ」と命じます。
しかし、何者かの攻撃を受け、青いプロテクターのBSは去っていきました。
助けに来たのはセスとアッシュでした。
怒→「なによ!誰も助けてくれなんて言ってないじゃない」
喜→「助けにきてくれたのね、ありがとう」
そう言ってブロンウィンは気を失った。
WWWF基地
青いプロテクターのBSはヘルメットを取った。
「何をしているNo7。No4を殺せと命じたはずだ」
病院→山田記者の家
ブロンウィンは病院に運ばれました。
そこへ滝沢とセスとアッシュが駆けつけます。しかし、結局博士の行方についてはまだわからないそうです。
話す→怒→「何やってんのよ、この役立たず!」
話す→喜→「あっそ。別にいいんじゃないの?」
いずれにしても3人は怒って出て行ってしまいます。
実はブロンウィンには考えがあったのです。自分がWWWFにわざと捕まって、博士を救出するつもりだったのでした。
しかし、ブロンウィンの傷は思ったより深く、途中で倒れてしまいます。
倒れている所を山田記者に助けられます。
山田記者は、あの(第四のユニット1の)後、WWWFについて調べていたところ、上からの圧力で突然会社をクビになり、今はフリーのジャーナリストになっているそうです。
山田記者「ところで、なんであんな所で倒れていたんだい?」
話す→怒「あんたには関係ないでしょ!」
話す→喜「いや、ちょっと持病の酌が出てしまって」
この後山田記者は取材のために出ていきました。
しかし、直後に大ケガして戻ってきます。
あのアンドロイドと青いプロテクターのBSがここまで追ってきたのです。
そして、青いプロテクターのBSがヘルメットを取ると、その正体はダルジィでした。
「3ヶ月前あんたから受けた屈辱を決して忘れない。あんたにも同じ苦しみを味わってもらう。」
そういって、ダルジィは山田記者に攻撃。
ダルジィとの戦闘。ダルジィは右手が弱点のようで、右手をパンチかキックで攻撃していれば倒せそうです。
ただ、稀にサイコブラストをかけてくるので、その時はジャンプでかわします。といっても、こっちが先に行動を選択しなければならないので、相手がいつサイコブラストをかけてくるかわかりません。これはもう、「どこでもセーブ」を駆使して、サイコブラストを受けたらロードしてやり直すのが良いようです。
ダルジィを倒すとダルジィは逃げていきます。しかし、山田記者が目を覚ます事は二度とありませんでした。
統合軍本部→スイシーゼに指定された場所
この事件の後、ブロンウィンのサイコパワーは急速にパワーアップしました。創られた人間であるBSが、何も改造もせず自力でパワーアップする事など、あり得ないはずでした。また、傷も急速に回復しました。
ある日、統合軍本部に通信が入ります。それは、スイシーゼからでした。
「博士を開放した。そのかわり私と戦え。」
指定された場所に行きましたが、スイシーゼの姿はどこにもありませんでした。
突然、ダルジィが現れます。「お前が探しているのはこいつか?」
スイシーゼはダルジィに捕まりボロボロにされていました。
ダルジィはスイシーゼを谷底へ放り投げます。
スイシーゼを助けない
ブロンウィンは谷底に突き落とされるスイシーゼをそのまま見守ります。スイシーゼは死にました。その後、ダルジィを倒したブロンウィンは、もうこれまでのブロンウィンではありませんでした。
ブロンウィン「はっはっは。ダルジィ、殺しはしない。そこで己の無力さを思い知るがいい。」
バッドエンド。やり直し。
スイシーゼを助けるが、その前にクラスメイトを助けてない
ブロンウィンは谷底に突き落とされるスイシーゼを下で受け止めました。
ブロンウィン「なんで博士を助けたりしたの?」
スイシーゼ「私は、お前と、正々堂々と勝負がしたかっただけだ・・」
そう言ってスイシーゼは息を引き取ります。
その後、ダルジィを倒したブロンウィンですが、謎は残ったままでした。
バッドエンド。やり直し。
スイシーゼを助けるし、その前にクラスメイトも助けている
ブロンウィン「なんで博士を助けたりしたの?」
スイシーゼ「私にはお前の行動が理解できなかった。だが、オリジナルのお前ができるなら、私にもできるんじゃないかと思ってね。」
ブロンウィン「オリジナル!?私が?」
スイシーゼ「お前は間違いなくオリジナルだ。ただ、BSの母体となる事が決定した時、記憶を消された。戦いの道具に思い出など不要だからな。」
ブロンウィン「じゃあなぜ、オリジナルなのにBSなの?」
スイシーゼ「それは血の力だ。私達一族の遺伝子の力。私はお前が羨ましかった。」
そう言ってスイシーゼは息を引き取ります。
その後、アンドロイドとダルジィとの連戦になります。(ただし、体力はその都度満タンにリセットされます。)アンドロイドの弱点は、一体目と同じです。腰にパンチをしていればそのうち勝てます。
ダルジィとの2戦目。といっても、山田記者の家で戦った時と同じで、やはり右手が弱点のようです。右手をパンチかキックで攻撃していれば倒せます。ただし、相手がサイコブラストをかけてくる時はジャンプでかわさないと大ダメージを受けてしまうので、あとは運次第。どこでもセーブを駆使して倒すしかないでしょう。(実機では直前にセーブできる所から何度もやり直しする羽目になりそうです。)
ダルジィを倒しました。
「情けは無用だ。とどめをさせ」
しかし、ブロンウィンはとどめをさそうとはしませんでした。
ブロンウィン「クローンだろうとオリジナルだろうと同じ人間に変わりはないのよ」
ダルジィはその場でいつまでも泣いていました。
というわけで、あんまりめでたくはないけど、一応トゥルーエンドです。
っていうか、ダルジィはこの後逃がしちゃったの??(だって、この話だけでも2人も殺してるんだよ?)
プレイしてみて
こんなの絶対ゲームじゃないです。紙芝居を見るだけです。であれば、いっそゲームと言わず電子コミックにしちゃった方が良かったかもしれません。
一応、途中の選択によってシナリオが分岐するマルチエンディングっぽい作りになってはいますが、せいぜい3通り(クラスメイトを助けない、スイシーゼを助けない、両方助ける)しかないので、あんましマルチって感じでもないです。もっと分岐が多くても良いような気もします。(2Dディスク3枚じゃ無理?)
また、セリフの喜怒哀楽もゲームの進行や分岐に何ら関係もなく、単に全てのリアクションを見るために何度も何度も最初からプレイしなければならないのは困りものです。そんなに面白い話でもないので、そんなに何度もプレイする気にもなりません。まあ、話そのものが短いのがせめてもの救いでしょうか?(急げば1周約10分ぐらいで終わる。)
今回は優介と山田記者に出番があったのは良かったです。もっとも山田記者は死んじゃいましたけど。あと、こっから先はシリアスな路線に変更したみたいで、「2」のような面白さはあんましないみたいです。やたら人は死ぬし・・・。
「2」で兵士がブロンウィンと誰かを間違えて急に態度が変わった(あきらかにブロンウィンを上の人間と見てる)というシーンがあったけど、スイシーゼってそんなに偉い立場には見えなかったけどなぁ。あれは一体何だったんだろう?それと、ブロンウィンは記憶喪失じゃなくて、もともと記憶がなかった、という設定だったのに、やっぱり記憶喪失でしたとか、色々設定がコロコロ変わりすぎるのも問題のような気もします。だいたい、オリジナルならなんでNo4って呼ばれてるの?っていう気もしなくもないです。(プロトタイプならむしろNo.0とかだろ、みたいな・・・)
という事で、「2」で未消化の伏線の続きがどうしても知りたい、という人が読み物として読む価値はありそうです。ただ、ゲームとして遊べるかどうか、というとそれはちょっと・・・って感じですね。
良かった点は、BGMが1作目にくらべてかなり良くなった事と、絵もかなり上手くなったと思います。ただ、2と比べて絵柄が違いすぎるような気がします。多分、別の方が担当したのではないかと思いますが・・・。個人的には2のブロンウィンの方が好きでした。