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ルーターとは?

ルーターとは

今やインターネットは、かつてのアナログ電話回線を使ったダイヤルアップ環境ではなく、ほとんどの方がADSLや光ケーブルを使って接続されていることと思います。ADSLや光回線からモデムを通じてPCに接続するわけですが、その間にルーターをつけている方も多いと思います。

ルーターを使えば、PCでPPPoE接続をする事なく自動的に常時接続してくれますし、そこから複数のPCに対してローカルIPを割り当て、それらをインターネットへ接続してくれるでしょう。

ここではまずルーターの役割を説明しましょう。

インターネットとIPアドレス

LANとは、「ローカルエリアネットワーク」という意味で、簡単に言えば「限られた範囲で作られたネットワーク」ということです。つまり、ネットワークそのものが、ローカル、ということです。

これが、ローカルではなく、地理的にも遠く離れて接続されているネットワークを、WAN(ワイドエリアネットワーク)といいます。そして、世界中のネットワークとネットワークをつないだものを「インターネット」といいます。インターネットでは、さまざまなネットワークとネットワークが「ルーター」によって接続されています。このように、異なるネットワーク同士を接続する機器が「ルーター」です。

さて、ここで「異なるネットワーク」という言葉が出てきました。では、「異なるネットワーク」という場合、何が異なるのでしょう。インターネットに(正確には、TCP/IPプロトコルで)接続されている機器には、IPアドレスというものがついています。IPアドレスとはネットワーク上での住所のようなものです。

IPアドレスには、ローカルアドレスと、グローバルアドレスがあります。

ローカルアドレスとは、LAN内でのみ通用するアドレスのことです。電話でいうと「内線番号」、住所でいうと、アパートの部屋番号といったところでしょうか。例えば、よその会社の内線番号を、いきなり外部から回しても電話はかかりませんし、郵便番号も住所もかかないで、部屋番号だけしか書いてない郵便物はとどきません。

グローバルアドレスとは、世界中で1つしかないIPアドレスのことです。電話でたとえれば、「その番号さえ回せば世界中どこからでもかかる電話番号」といったところでしょうか。

ここでは、まずローカルアドレスについて見ていきましょう。

ネットワーク部とホスト部とネットマスク

ローカルアドレスには、

クラスA:10.0.0.0〜10.255.255.255
クラスB:172.16.0.0〜172.31.255.255
クラスC:192.168.0.0〜192.168.255.255

を使うことができます。これらのアドレスはローカルアドレスとして使うことになっていて、インターネット上でIPアドレスを一意に表すアドレス(グローバルアドレス)ではないことになっています。

ここでは、ローカルアドレスとしてよく使われるクラスCについてみていきます。

たとえば、192.168.0.0と、192.168.1.0は異なるネットワークです。なぜわかるのでしょう?正解は「これだけではわからない」ということです。「え!?それじゃ意味がわからない」って??というわけで、わかりやすく説明しましょう。

192.168.0.0は、厳密にいうと、192.168.0.0/255.255.255.0です。この後ろにある「255.255.255.0」がネットマスクと呼ばれるものです。ネットマスクとは、IPアドレスのうちの、ネットワーク部がどこまでなのかを示すものです。

ネットマスクの255.255.255.0は、このような10進数表記するとわかりにくいのですが(実際、筆者は、2進数のものを10進数表記するIPV4の表記方式はナンセンスだと思っています)、2進数表記すると、

11111111.11111111.11111111.00000000

となります。よくみると、左から1が続き途中から0になっています。この1の続く部分が「ネットワーク部」、0の部分が「ホスト部」です。つまり、255.255.255.0とは、ピリオドで区切られた数字のうちの最初の3つがネットワーク部、最後の1つがホスト部であることを示すわけです。

「ネットワークが異なる」とは

ネットマスク255.255.255.0で示されるクラスCのローカルアドレスでは、 ネットワーク部、すなはち、最初の3つが異なっている場合は、ネットワークが異なるといいます。 逆にいえば、最初の3つまでが同じで最後の1つが違う場合は「同じネットワークにいる」といいます。

ネットワークが異なるアドレスにある機器(サーバー、PC、ネットワークプリンター等)同士は、そのままではパケットの受け渡しができません。 そこで、異なるネットワーク間にルーターを設置します。

図1)ルーターがない場合

青い部分のIPアドレスは、192.168.0.XXXで、赤い部分は192.168.1.XXXです。この、青い部分と赤い部分は「異なるネットワーク」にあるというわけです。 この図では、青いネットワークと、赤いネットワークはルーターによって結ばれていません。この場合、双方でデーターを送受信することができません。

図2)ルーターがある場合

図1と同じく、赤い線と青い線は異なるネットワークです。 しかし、今回は192.168.0.1と192.168.0.2という2つのルーターがあります。 これによって、ルーターAは外部のネット(インターネット)との情報をやりとりする門(ゲートウェイ)の役割をし、ネットワーク内の端末をインターネットに接続しています。

また、ルーターBは青い線のネットワークと、赤い線のネットワークの間のゲートウェイになっていて、赤い線のネットワークと青い線のネットワークを結んでいます。 これにより、青い線のネットワーク内の端末からネットワークAや外部(インターネット)へのアクセスを可能にしています。

パケット

もし、宅急便で荷物を大量に送りたい場合はどうすればいいでしょう。まあ、普通はチャーター便でトラック1台チャーターするのでしょうけど、ではもし、チャーターができない場合を考えてみてください。実際、インターネットではあなた専用にトラックを1台チャーターすることはできません。すべて「普通便」で送らねばならないのです。

そういう時は、まず、荷物をダンボール箱につめるでしょう。10個口、いや、100個口になるかもしれません。そして、それら1つ1つに「ラベル」を貼り、1つ1つにあて先の住所氏名を書くでしょう。これがパケットです

パケットとはまさに、1つ1つにあて先の住所氏名のついた、宅急便の荷物のはいったダンボール箱と思ってください。インターネットでは、送信したいデーターを一定の決められたバイト数(プロトコルによって異なります)でバラバラにして、それを相手先に送信します。

ネットワークアドレス

図1の中にある、「192.168.0.0のネットワーク」とはどういう意味でしょう?

実は、ホスト部がすべて0のIPアドレスを「ネットワークアドレス」と呼び、そのネットワーク自体を指す時に使います。つまり、「192.168.0.0のネットワーク」といった場合に、上の赤線で囲まれた部分(192.168.0.xxx)のネットワークをさすことになります。

ネットワークアドレスは、後述のようにルーティングの設定の時など、ネットワーク自体を呼ぶ時に使われます。

ブロードキャストアドレス

もし、あなたが会社の中で「ホチキス貸してくれないかなー」と言ったとします。もし、ここで部下から「それは誰に言ってるんですか?」と聞かれたら、あなたはこう答えるでしょう。「全員に言ってるんだよ」。これがブロードキャストパケットです。

このように、特定の誰か、ではなく、とにかく全員に対して言って、該当する人間(ここでは、ホチキスを貸せる人)に反応を期待するような事が、ネットワークに対しても行う事ができます。

たとえば、192.168.0.0のネットワークのブロードキャストアドレスは、192.168.255.255です。つまり、ホスト部のビットがすべて1なアドレスが、ブロードキャストアドレスになります。ブロードキャストアドレス宛のデータ−が来た場合、ルーターはそのネットワークに接続されている全ての端末にパケットを送ります。

異なるネットワークにパケットを送る

もし、宅急便のあて先が、同じ営業所の範囲内にあれば、その営業所内で配達すれば良いでしょう。では、違う営業所の範囲内への荷物はどうするでしょう??その場合、荷物は目的のその地区の営業所に送られ、その営業所が目的の住所に届けます。

宅急便の伝票には、必ず「着店コード」があります。これは、その荷物がどの地区の、どの営業所が担当しているかを示すコードです。同様に、インターネット上でパケットは「着店コード」ならぬ「ネットワークアドレス」をもとに、営業所ならぬ「ルーター」へ送信されます。そして、ルーターは目的の端末へパケットを届けるわけです。

図3 パケット(荷物)が届くまで


パケットを、宅急便の「荷物」、ルーターを宅急便の「営業所」と考えるとわかりやすいかもしれません。

違うネットワークに荷物を届けられるようにする

宅急便をセブンイレブンから送る場合、今はセブンイレブンのレジに住所を打ち込めば、着店コードが表示され、簡単に料金も出るようになりましたが、かつてはセブンイレブンに「着店コード表」があって、店員がそれを見ながら着店コードを探したものです。

同様に、違うネットワークにパケットを届けるために、この「着店コード表」のようなものがルーターに必要です。これを、ルーティングテーブルと呼びます。

ルーティングテーブルは、スタティック(静的)ルーティングと、ダイナミック(動的)ルーティングがありますが、ここではスタティックルーティングについて見ていきます。ルーティングテーブルによって、どこのネットワークあてのパケットは、どこに届ければ良いかわかるようになっています。

しかしながら、宅急便の全営業所ならばコード表を見ながら拾う事はできますが、世界中に接続されたインターネットのネットワークアドレスを1個のルーターが覚えてないといけないのでは、ルーター1個つくるのに膨大なメモリかハードディスクが必要となってしまいます。

そこで、ローカルエリアに設置するルーターでは、ルーティングテーブルはそのローカルエリア内のみを覚えていれば良く、あと、それ以外のあて先のパケットは上位回線のルーターに全て任せてしまいます。

この「上位回線のルーター」を、デフォルトのゲートウェイと呼びます。

デフォルトのゲートウェイとは

もし、あなたが田舎の宅急便の営業所の配送員だったとします。その場合、同じ地域内への荷物は直に届けるし、同じ県内への荷物なら、そこの営業所へ届けることでしょう。

そして、遠くの営業所宛だった場合、たとえば、あなたの担当する地域が福島県の山奥の山奥で、荷物のあて先が長野の山奥の山奥だったりする場合です。その場合、荷物は、いったん福島の大きな営業所へ送られることになっていたとします。(※本当はどうなのかは知りませんが)

これが「上位の営業所」であり、いわゆる「デフォルトのゲートウェイ」です。

つまり、デフォルトのゲートウェイとは、そのルーターが知らないあて先の荷物(パケット)を任せるルーターのことです。



この例では、ネットワーク内にルーター[192.168.0.1]があり、3台のWindows端末[192.168.0.2]〜[192.168.0.4]が接続されています。3台のWindows端末から見て、デフォルトのゲートウェイはルーター[192.168.0.1]になります。

Windowsの「TCP/IPの設定」のプロパティーを開くと、「デフォルトのゲートウェイ」という言葉がでてきます。Windowsパソコンはサーバー機能をインストールしない限りはルーターの機能はありませんので、他の端末のIPアドレスまでは知りません。そこで、そのパソコンの所属しているLAN内のルーターのIPアドレス[192.168.0.1]を設定しておきます。Windows機にとっては、そのネットワーク内のルーターが「デフォルトのゲートウェイ」になるわけです。

端末[192.168.0.2]から、端末[192.168.0.4]へメールを出したとします。すると、パケットはルーター[192.168.0.1]へ送られます。同じネットワーク内宛ならルーター[192.168.0.1]がそのまま端末[192.168.0.4]へ配達する事ができます。

今度は、端末[192.168.0.3]が遠方のサーバーへメールを出したとします。すると、パケットはいったんルーター[192.168.0.1]へ送られますが、今度はこのルーターの知らない宛先であるために、パケットはさらに上位のルーター(図中のプロバイダのルーター)へ送られ、そこからさらに外部へリレーされます。

このように、ルーター[192.168.0.1]にとっては、プロバイダーのルーターが「デフォルトのゲートウェイ」になるわけです。
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