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2019年2月15日 手術後の長い夜

一夜明けて、入院2日目。今日はいよいよ手術の日。

10:00に看護婦が来て、浣腸をすると言う。処置室に行く。しかし、今日はお尻を出すだけなので、前は見られずに済むから良い。

「浣腸はやった事ありますか?」と言うので、「ありませんよ、ノンケだし」とかぶつぶつ言うと「え?」と言うので「いや、こっちの話」と言った。

その後、浣腸される。ただでさえ昨日下剤を飲んでるので、お腹は一気に下って極度の腹痛。しかし、ちゃんと処置室には様式便器がついている。いそいで様式便器に座ってお腹のものを一気に出した。なんかスッキリした。

11:00に担当医が来て、今から手術の説明をすると言うので、ナースステーションの特設テーブルに行った。

今回の手術は腹腔鏡手術による、胆嚢切除手術。おへそからカメラを入れて、カテーテルによる遠隔操作でモニターを見ながら胆管をくっつけた後、胆嚢を切除するという。

ただし、1万人に1人の確率で肝臓から胆嚢にバイパス管が伸びてる場合があって、その場合、腹腔鏡ではどうにもならないので、腹を切開する場合がある、との事。また、人によっては思わぬ場所に血管があって、それを切ってしまう場合があるので、その場合は切開して止血した後、血液製剤を使うという話だった。

とにかく、自分の体がもし一般的な人の構造と違っていたら、腹を切られてしまうっていう事だな。

12:00に手術着に着替えてくださいと言うので、例のアマゾンで買った手術着を着た。

13:00 手術室に入った。背中にとっても痛い注射をされた。これは、背中に痛み止めの管を入れるための麻酔なんだそうで、麻酔をするための針が痛いとはこまったもんだ。その後、背中に管を入れたが、これは麻酔が聞いてたおかげで痛くなかった。

その後、麻酔を入れますという声がした・・・





途端に、腹に激痛が走った。看護婦の「終わりましたよ」という声が聞こえた。見ると、いつの間にか手術室は出ており、自分の病室にいた。

隣で、ものすごいケンカする声が聞こえてきた。頼む、今だけはケンカはやめてくれ。今はほんの少しのストレスで、傷がとっても痛む。

あまりの痛さに耐えかねてナースコールのボタンを押した。スピーカーから「どうしました?」って聞こえてきたが、痛くて声が出せない。すると看護婦が来て「どうしました?」と聞くので、泣き声で「痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い」って連呼した。すると「痛いですよねー」と言う。まったく他人事だと思って・・・。

しかし、この「痛い痛い」が聞こえたのか、隣のケンカは収まった。

少しして、他の看護婦が来て「夜の担当の◯◯です」と言う。えー、看護婦の引き継ぎって午後五時でしょ?麻酔で眠る前はたしか午後1時だったはず。えー、手術4時間もかかったの??

前にGoogleで検索したら、胆嚢切除手術は2時間〜2時間半と書いてあったので、てっきり今は3時から4時だと思っていたのに、5時とは。そもそも、腹腔鏡手術は患者の負担が軽いという話だったのに、この激痛は一体なんだ。

そういえば、前に1万人に1人の確率で予期せぬ事態に陥る場合があって、その場合はお腹を切開するとか言ってたぞ。って事は、腹腔鏡ではどうにもならず、結局切開されてしまった、そのために手術に時間がかかった・・・と見るのが自然だろう。

??時 少し痛みがマシになってきたので、状況を整理してみる。

・右手の人指し指には整体モニターの端末がついてて、ずっと洗濯バサミで指を挟まれている感じがする。

・足は、エコノミークラス症候群防止の靴下を履かされていて、これがけっこうキツい。
・左腕には血圧計がつけられており、定期的に膨らむのだが、これがけっこう痛い。

・口には酸素マスクがつけられている。

・股間には尿カテーテルがつけられており、パイプが短くて身動き1つできないし、寝返りもうてない。

おまけに、今何時なのかもサッパリわからないし、そもそも身動き1つできないので時計を出す事もできない。困った・・・。

左手がかろうじて自由に動かせるようなので、左手でなんとか引き出しを開けてスマホを取り出してみる。なんとかスマホを出すことに成功。これで時間が確認できる。今は深夜の3時ぐらいだろうか・・・

と思って時計を見たが、まだ夜の0:38だった。って事は、この状態を少なくともあと10時間は耐えないといけないという事か。

なんとか、右手の洗濯バサミを外してみるが、途端に「ピロリン ピロリン ピロリン ピロリン」って音がして看護婦が飛んできて、洗濯バサミを挟まれてしまった。どうやらこれを外すと生体モニターが異常を報告するみたいだ。なので、これは外すとバレる。

尿カテーテルは自分じゃ絶対外せないだろう。というか、手術前の説明で、「自分で機器を外すような事があった場合は、腕を拘束させていただきます」って言ってた。

父が最後に入院した時は、既に認知症が悪化していて自分がなぜ点滴や尿カテーテルをつけられているのか理解できず、何度ダメと言っても自分で外そうとしてしまう。病院側も仕方がないので、腕を拘束したのだが、それでも父が「これを取ってくれ取ってくれ」と言うので、涙が止まらくなった。

という事があったので、尿カテーテルを自分で外す事はできない。ただでさえストレスがたまる状況なのに、その上腕を拘束されたら狂い死ぬかもしれん。

しかし問題なのはこの腰の痛みだ。ずっと真上を向いた状態から身動きできないから、持病の腰痛が悪化して腰が痛くて死にそうだ。しかし、寝返りも打てない。困った。

仕方がないのでナースコールを押して「向き変えたい」と言ったら、なんとか体の向きを右向きにしてもらえた・・・が、それはそれで切開した腹に響いて痛い。これだと腰痛の方がマシなので、自分で上向きに戻してしまった。

さらに問題なのが膀胱の違和感だ。常時おしっこが漏れそうな感覚に襲われている。またナースコールを押して、「おしっこ漏れそうなんですけど」と言うと、「大丈夫ですよ。ちゃんと尿は出てますから」と言う。では、この常時おしっこが漏れそうな感覚は一体何だ?

あと、普段たと仕事中に大しておしっこしたくなくても、トイレに言って一息ついたりするし、トイレでおしっこをする事そのものがある程度気晴らしになるんだけど、今はそれすらできない。おしっこができない。尿はカテーテルで強制的に出されてしまう。

とにかく、なんとかして寝ないと、この長い夜を乗り越える事はできない。どうにかして寝る事はできないだろうか?

しかし、今の違和感は半端ではない。指には洗濯バサミ、足にはキツい靴下、腕には定期的に膨らむ血圧計、膀胱は常におしっこしたい感覚、口には蒸れて熱い酸素マスク・・・とにかく最悪だ。こんな最悪な状況、これまで生きてて一度も体験した事ない。

とにかく、もう金輪際手術はしない事を誓った・・・んだけど、じゃあもしこの後ガンになったらどうするの?って思った。母は病院の検査から逃げ回っていたせいで、ガンが発覚した時は既に全身に転移していて手遅れになり、結果、耐え難い痛みに耐えながら血を吐いて死んだ。なので、ガンになったら手遅れになる前に手術を受けるしかないのだ。

01:30 スマホを見るとまだ1時半だ。一体尿カテーテルを外せて体の向きを変えられるまで、あと何時間この拷問に耐えないといけないのか。

しかし、人が死ぬ時ってどんな感じなんだろうか?両親ともに、死んだ時は尿カテーテル入れられたまま、点滴をつけられたまま、身動きできない状態で死んだ。病院で死ぬって事はつまり、この状態で死ぬまで開放されないまま死ぬって事だよなぁ。自分も人生の終わりにはこの体験をしないといけないのだろうか?

などと考えていたら、いつの間にか寝てしまった・・・が、電車の中で失禁する夢を見て慌てて飛び起きた。しまった、おねしょしてしまった??

・・・わけない。そもそも、今の状態でおねしょなんてできない。尿はカテーテルで勝手に出ていくんだからな。しかし、おしっこが漏れそうな感覚は常時続いたままなので、この後何度寝てもまた失禁する夢しか見ないだろう。

なんか、突然松山千春の「長い夜」が頭に浮かんだ。「♪恋に揺れる心ひとつ」最後まで歌を思い出した後、もう1回最初に戻ってまた同じ歌を思い浮かべる。これでなんとか時間を凌ごう。

時計を見ると・・・まだ3時だ。一体いつになったら夜が明けるのだろうか?

とその時、口から酸素マスクが外れた。なんだ、これ取れるのか。ならば取ってしまおう。蒸れた酸素マスクの違和感がなくなれば、状況はかなりマシになる。

ところが、すぐに看護婦が飛んできて酸素マスクつけ直されてしまった。なので「これ、蒸れて気持ち悪いんですけど」と言うと、「ダメです!!主治医の指示ですので、ちゃんとつけてください」と言われた。

ああ、これでまた酸素マスク外しちゃうと今度は腕を拘束されてしまうんだろうなぁ。やっぱり医者が来るのを待つしかないみたいだ。


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