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コピープロテクトについて

コピープロテクトとは

コピープロテクトは不正コピーを防止する上で重要な役割を担っていました。しかし、カセットテープやフロッピーディスクには寿命があり、既にこの文章を書いている時点で8〜16ビット機時代に作られたフロッピーに限界がきています。私の所有するフロッピーにもかなりのカビが生じてしまいました。今対策を施しておかないと、過去に購入したゲームを永遠に失う事になります。

そこで、なんとかイメージファイルとして残しておきたいところなのですが、当時のフロッピーディスクにはコピー防止処理がなされており、それがエミュレーター使いにとっての障害になっています。

ここでは、プロテクトについての情報を掲載します。エミュレーター上でどうしても挙動がおかしいと思った方は参考にしてください。ただし、コピープロテクションを解除するのは違法なので、あくまでエミュレーター上での挙動の確認にとどめておいてください。

カセットテープのプロテクト

FM-7が発売された直後はフロッピーディスク装置の普及率が低かったためか、ほとんどがカセットテープ版でした。カセットテープ版も初期の頃は、単にBASICプログラムでLOADMコマンドが書かれたローダーでが使われており、カセットテープに記録されているデーターも、普通のBAISCでセーブされたものでした。(いわゆる、ボービボーって音がするもの。)

その後、カセットテープからプログラムをメモリーに読み込んだ後に書き出すという、カセットテープ用のコピーツールが開発されたため、各メーカーは対策を施しました。

サラダの国のトマト姫、花札狂
ハドソンは、カセットテープのロードに独自のローダーを使っていたため、FMのBIOSを使ったカセットテープリードでは読めないようになっていました。いったんメモリーに読み込んで吐き出す方式のコピーツールでは、BIOSを使ったリード/ライトにしか対応しておらず、コピーが取れなくなっていました。

また、FMはカセットテープのデーターに比較的低い音がするのですが、ハドソン系のソフトはPC-6001系のカセットテープのような、高い音がしていました。

ザ・キャッスル
V−RAMのデーター(つまり、外枠の城の部分)から、プログラム本体までをひと繋ぎにし、切れ目なくデーターを入れる事で、いったんメモリに取った後にはきだす方式のコピーツールではコピーができませんでした。

ただ、2レコーダータイプのコピーツールではコピーが取れてしまいました。2レコーダータイプでは、メモリーバッファをなくし、カセットレコーダーを二台接続して片方を再生、片方を録音にして、片側で読み取ったデーターを即座にもう片側に書き込んでいました。これだと、単にダビングする場合と違い、いったんPCがデーターを読み取るためにデーターの劣化を抑える事ができます。

西部の成り上がり
こちらも、ザ・キャッスルと同じく、V−RAM(マップ)データーとプログラムを1つなぎにして、メモリに取り込むタイプのコピーツールではオーバーフローを起こさせてしまうというものでした。

ただザ・キャッスルと異なる点は、テープに入っているデーターの密度が非常に薄いという点。つまり、データー転送レートを非常に低くしており、ダビングするにしても60分テープの片面をほとんど使い切ってしまいます。つまり、単純にダビングした時のエラーの出る確率を高くしていたものと思われます。

ただ、テープのロード時間が異常に長いわりにはつまらないゲームであったため、このゲームで遊んた実際の時間は、テープのロード時間よりもはるかに短い時間でした。

ジ・エージェント
カセットテープのところどころにブランク(無音)の部分を入れておき、無音部分にあたる所では読み込みを停止していました。これにより、いったんメモリーに取ってはきだす方式では、無音部分が再現できないため、コピー版では動作しませんでした。ただ、こちらも2レコーダータイプならコピーが取れてしまいます。

サイキックシティ
2レコーダータイプのコピーツールに対応したプロテクトです。 カセットテープのボーレート(転送レート)が可変になっており、 一定間隔で次のボーレートを示すデーターが入っているというチェイン構造になっているため、 常にテープから読んだデーターを解析しながら次のデーターを読まなければなりませんでした。 オリジナル版のテープ音がぐちゃぐちゃな音だったのも特徴的です。 2レコーダータイプのコピーツールは可変ボーレートには対応していませんでした。

ただ、ロード時間が長いわりにはDevice I/O Errorが頻発したのは問題でした。あともうちょっとでロードが終わる、という時に出る「Device I/O Error」表示には何度も悔しい思いをしたものです。

UNPROTECT
カセットテープのゲームをフロッピーにコピーするツールです。 FM-7ではリセットボタンを押しても、IPLが読み込まれる部分(BASICモードは$100番地、DOSモードは$300番地(FM77AV20以降除く))以外はそのまま残る事を利用し、テープを読み終わった後にBASICモード、DOSモードでそれぞれリセットして現在のメモリーの内容を全てフロッピーに保存していまうというツールでした。


カセットテープのゲームの多くはオンメモリで動作し、一度ゲームがスタートしたらもうカセットテープは不要になるケースが多かったため、これを使えばサイキックシティのような凝った仕掛けが施されていても、メモリー全てを保存されてしまうのでコピーができてしまいました。

ただし、ゲームの途中のセーブには相変わらずカセットテープ(ブランクテープ)を必要とするのと、ザース、機動戦士ガンダム PART-1 ガンダム大地に立つ、機動戦士ガンダム PART-2 翔べガンダム、ポートピア連続殺人事件、スターアーサー伝説シリーズ、等のオンメモリに入りきれず随時テープから読み込むもの、エンディングだけテープから読むものには使えませんでした。

フロッピーディスクのプロテクト

当時のパソコンの周辺機器は、現在のPC/AT互換機ほど多くのメーカー参入しておらず、 特にフロッピー装置内蔵機種では搭載されているコントローラはほぼ決まっていました。

したがって、その機種のフロッピーコントローラーに備わっている独特のコマンドを発行する事により、セクタ調やセクタ数を変えたり、 特殊フォーマットを施す等でコピーをとれないような処置が施されました。

これに対して、コピーツール業者もさまざまなフォーマットに対抗したコピーツールを作りましたが、 ソフトメーカーがそれに対抗して新しい対策を施す、といったイタチごっこが続きました。

セクタ長、セクタ数を変える

最初の頃はコピープロテクトといっても簡単なもので、 単にセクター長やセクター数を通常のフォーマット(F-BASICフォーマット 256x16セクタ)とは違うものにしておいて、 F-BASICのシステムディスク付属のVOLCOPYでコピーできなくするものでした。

また、プロテクトのためというよりは、むしろアクセス速度の向上を図ったものも多かったです。 プログラムが入ったトラックはセクタ長256バイト、CGデーターが入ったトラックは長512もしくは1024という具合に、用途別にセクタ長が変えてあるものもありました。

トラックイメージリード/ライトを使う

トラックイメージを直接リード・ライトするという、フロッピーディスクコントローラーのコマンドを発行して特殊なフォーマットを作ったり、 ギャップに値を書き込んだりするものもありました。

SuperSnake7
コピーツールですが、それ自身にもプロテクトがかかっていて、自分で自分自身をコピーできないようになっていました。これでは、自分で自分のプロテクト解析に限界がある事を自ら証明しているようで、なんかおかしかったです。

セクタとセクタの間には「ギャップ」と呼ばれる、データーの保管場所としては使わない部分があり、本来はここは連続したセクタから値を読む出す際に、コントローラーに処理の余裕を与えるためのものです。ギャップがある事で、コントローラーがセクター読み取ってメモリーに転送するまでの間に、記録部がヘッドを通り過ぎないようにしています。

ギャップ部に記録された値は不定といいますか、何が入っているか保障されないものですが、トラックイメージリードコマンドを発行する事でギャップに書かれた値を読み取ることもできます。SuperSnake7では、起動時にギャップに特定の値が書き込まれているかどうかチェックし、なければ複製と判断して「タンクバトル」というゲームが起動するようになっています。

ExpertFM
これもコピーツールなのに自分自身にもプロテクトがかかっている例です。また、自身にも解析コピーの機能がついているのですが、自分で自分自身はコピーできませんでした。

プロテクト用のトラックには、トラックイメージライトを使って書き込んだと思われるセクタのないトラックがあり、イメージリードするとトラック全体にハートマークのグラフィックキャラクターで「MAMI」や「MOMO」と書かれていたり、トラック全体に「メモルメモルメモル」という文字が埋め込まれています。


テグザー
プロテクトが害になってしまった例です。プロテクトトラックが施されたトラックをトラックイメージリードで読むと「ネコ♥市」という文字をたくさん書いてあって、トラックリードしてそのデーターが読めるかどうかでプロテクトを判断していました。

ただ、6面をロードする時にもそのプロテクトを読むのですが、1分以上かかってしまうという問題が発生しました。これはプロテクトを外すと直ったわけで、こうなるともうファイラーがパッチ当てツールになってしまいました。

オーバートラックを使うもの

トラック77〜80(いわゆる「オーバートラック」)をにデーターを入れているものです。 通常コピーツールで「オートコピー」を使うと、トラック1〜76までしかコピーしないため、 オーバートラックがコピーされていないものは正規品ではないという事になります。

アークス
これはプロテクトのためというよりか、ディスク容量が足りなかったのでしょう。 もしオーバートラックにデーターが入ってないと、ゲームが途中でエンディングになってしまいます。 それも、バッドエンドではなくハッピーエンドになります。(77AV版) そのためコピーツール業者もこれを見て「ああ、ちゃんと終了した」とか思ってしまいます。 実際、初期のパラメーターは「終了確認済み」となっていましたが、プレイしてみるとゲームの途中で突如エンディングになってしまいます。

ただ、ゲームが尻切れトンボでエンディングになっても、もともと意味不明なゲーム展開なので、大抵の人は「こういうもんだ」と思ってしまうでしょう。

コマスWPV3G
こちらもオーバートラックを使っていますが、 こちらはオーバートラックにはデーターは入っておらず特殊フォーマットになっているだけです。 そのため、チェックルーチンを解除していまうと、オーバートラック自体が不要になってしまいます。

可変セクタに対応したコピーツールの登場

じきに、オーバートラックを含め全てのトラックを解析し、セクター長やセクター数の変化に対応し、 トラックイメージライトで書かれたトラックを再現できるコピーツールが登場しました。

△エキスパートFM


△ロリコピー

そこでソフトメーカーは、フロッピーに通常のPCでは再現できない処理を施すようになりました。

通常のPCでは再現できないフォーマット

ビット不安定プロテクト
これは、フロッピーの特定の場所の磁性体を意図的に破壊しておいて、その部分だけ読むたびに異なる値が出てくるかをチェックするものです。 コピー先は普通のブランクディスクを使っているために、このような不安定データーとはならずに正規品と区別する事ができます。 ただ、そのようなフロッピーを作るためにコストがかかるのが弱点です。

時分秒プロテクト
セクター番号に「F5 F6 F7」という、通常使用することのできない番号を使ったものです。 FMではセクタ番号にF5、F6、F7を指定すると、セクタ番号ではなく別の意味になってしまうので、 事実上F5 F6 F7というセクタ番号は使えない事になります。 (ロリコピーのマニュアルによると、「いわゆる宗教上の理由により書き込めない」んだそうです。) これはF5 F6 F7のキャラクターコードを取って「時分秒プロテクト」と呼ばれています。

このプロテクトは通常のパソコンでは同じフォーマットを作ることができないため、 ファイルマスター等のコピーツールではそのゲーム専用のコピープログラムを別途作る事で対応するようになりました。 これは、いわゆる「チェッカー潰し」と呼ばれるもので、ゲームのプログラムを解析し、プロテクトをチェックしている所だけをNOPなどに書き換えるというものです。

△ファイルマスターFM

途中プロテクト

プロテクトチェックルーチンを無効化してしまう「チェッカー潰し」に対抗したものが、この「途中プロテクト」です。 これは、起動時以外にもプロテクトチェックを複数隠しておき、一見ゲームがコピーできたように見せかけておいて、 コピー版ではゲームが終了できない(あるいは、終了はするけど、やりにくい)ようになってしまうというものです。 また、コピーして遊んでいるユーザーにとっては、ゲームを途中までプレイして興味がわいてきたところで、 プロテクトにひっかかってエンディングまで行けなくなるわけで、それが正規購入を促す効果にもなりました。

これらの中には、あきらかにコピープロテクトでゲームが起動しないとわかるものだけでなく、 ゲームの謎を解いていない、もしくは行動を誤ったために手詰まりになってしまったかのような動作をするものがあり、 ファイラーを作る業者はゲームを終了させてみないと完全にコピーできたかどうかわからず、その分コスト面で痛手となってしまうわけです。

その後、プロテクト外し業者もヒント集や攻略本を使ってエンディングまで行けるかどうか確認し、確認できたものについては ファイラーに「終了確認済み」と記載するようになりましたが、 ソフトメーカーはそれに対抗し、途中プロテクトに複数バージョンを用意し、 バージョンによってプロテクトチェックの場所やコード(16進コード)、そしてひっかかった時に出る症状を変えたりしました。

途中プロテクトにひっかかるとどうなるか

途中プロテクトには凝ったものが多く、プロテクトにひっかかるとユーザーに警告を促すメッセージが出るだけにとどまらず、 ゲームに登場するキャラが直接お説教するなど、お遊びの要素も加わってきました。

デスフォース
コピー版でもゲームは起動しますが、途中プロテクトにひっかかっていると動く事ができません。ただ、弾にあたって死ぬのを待つだけになります。

ウィザードリィ
デモ画面までは動くのですが、ゲームをスタートさせようとすると「マスターディスクではありません」と表示され、ゲームをプレイする事ができなくなります。おそらくビット不安定プロテクトだとは思うのですが、FM-7+外付け3.5インチドライブでは思ったように不安定データーにならなかったようで、たとえ正規品であっても「マスターディスクではありません」と表示されてしまう、という問題が発生しました。

エミュレーターでは不安定セクタを再現できないため、動作しません。


ザナドゥシナリオ2
途中プロテクトの先駆けともいえるファルコムの作品には、途中プロテクトにも凝った仕掛けが多かったです。ザナドゥシナリオ2では、プロテクトにひっかかると11面に入ろうとする所で「Disk Read Err」と表示され、先に進めなくなってしまいます。しかし、その、11面に入れる場面にいくまでに、さまざまな謎や条件をクリアせねばならず、プロテクトにひっかかっている事に気づくまではかなりの時間がかかりました。

賢者の遺言
まずゲームが起動する時にプロテクトを判断して、コピー版なら起動しないようにしていますが、その判断ルーチンがNOPなどに書き換えられていると紫ドラゴンの卵が出現しなくなり、その判断ルーチンがNOPなどに書き換えられていると性転換の薬が出なくなり、その判断ルーチンがNOPなどに書き換えられていると黄金の鍵が途中で(山頂の湖の詮を抜いた時に)なくなってしまいます。

1つプロテクトを解除すると、また別の判断ルーチンに連鎖的にひっかかってしまい、1つの判断ルーチンを書き換えた後はゲームを最初からやり直してエンディングまでやってみないと、完全に判断ルーチンがなくなったかわからないようになっていました。しかも、プロテクトチェックフラグは共有RAMにあって、判断ルーチンを書き換えられたかどうかはサブCPUがチェックしていました。

また、初期バージョンではこのような途中プロテクトがかかっておらず、起動時のチェックだけでした。つまり、比較的初期のバージョンを入手する(であろう)コピーツールの作者に気づかれずに途中プロテクトをかける事に成功した感じです。


イース
廃坑で装備を変更しようと[I]のキーを押すと、BGMの速度が暴走してメチャクチャになり、操作不能になります。(77AV版) そうなると、もうリセットするしかありません。 そのため、洞窟内でHEAL RINGを手に入れても装備する事ができず、また、WINGで一気に脱出する事もできません。 どうしても装備を変更したい時は、いったんセーブして、リセットして、ロードする必要があります。これでできてしまうのは、たぶん作者も盲点だったことでしょう。

イース2
ゲームが終了してめでたしめでたし。でも、エンディングで隠しコマンドを入力するとサウンドモードに入る事ができます。 しかし、プロテクトにひっかかっているとサウンドモードに入る事ができません。(77AV版) これはプロテクトのためというよりは、正しいディスクが挿入されたかどうかのチェックが、プロテクトセクタのチェックを兼ねているためだと思います。


ロードモナーク
途中プロテクトにひっかかっていると、生まれたばかりのユニットが「オート」にならず、ずっと待機したままになります。同様に、命令の終わったユニットも実行後オートにならず、すべて待機になってしまいます。しかしながら、難易度の高い面ではその方が都合がよかったりします。

ドラゴンスレイヤー英雄伝説
「第1章 王子の旅立ち」で、牢屋に入れられたセリオスをリュナンが助けにくるシーンで、途中プロテクトにひっかかっていると、リュナンは助けに来ず、永久に牢屋に入れられたままになってしまいます。まあ、おそらく「コピーするような奴は一生牢屋に入ってろ」という事なのでしょう。

▲いつまで待っても助けは来ない・・・

ドラゴンスレイヤー英雄伝説2
「序章」で、普通なら海賊にさらわれた後にエリオン(リュナン)に会うと、竜の祭りが始まる事になっています。しかし、途中プロテクトにひっかかっていると竜の祭りが始まりません。この海賊にさらわれるイベント自体が見つかりにくいため、なかなかひっかかっている事に気づかなかったりします。

▲いっこうに始まらない前夜祭・・・

また、英雄伝説2はパーティーよりも弱い敵を倒しても経験値が得られなくなるように作られているのですが、途中プロテクトにひっかかっていると、4章の途中からどんなモンスターを倒しても経験値が1ずつしか入らなくなります。一度この状態になると、正規ディスクで起動しなおしても元に戻らないので、セーブデーター内に「プロテクトにひっかかってるフラグ」を立てられてしまっているようです。

アステカ2太陽の神殿
ただでさえ、ひっかけが多いこのゲーム。ちょっと手順を間違えるとすぐに手詰まりになってしまうばかりか、途中プロテクトにひっかかっていると鍋と杖を合体させる事ができず、永遠にクリアできなくなってしまいます。ただし、いったんセーブしてからリセットしてロードすると直るのは作者も盲点だったでしょう。

エメラルドドラゴン
主人公アトルシャンは「相談」コマンドで仲間と相談をしながらゲームを進めていくわけですが、途中プロテクトにひっかかると「相談」コマンドを使っても「コピーしたなアトルシャン。見損なったぞ」とか「コピーするアトルシャンなんて大嫌い」と仲間に冷たくあしらわれてしまい、そこから先のシナリオに進む事ができなくなってしまいます。

プロテクトキラー業者やコピーユーザーに精神的ダメージを与えるプロテクト

個別パラメーターを作っている業者向けに、そのような行為をやめるよう諭すメッセージを入れたり、そのゲームをプレイしている人の罪悪感を刺激するようなメッセージをいれたものがあります。

リバイバー
いわゆる「お説教プロテクト」と呼ばれる(誰も呼んでない?)もので、プロテクトをチェックするルーチンの付近に、「あのさー、このゲームをコピーしようとしている人に言っておくけど、オレはこのゲーム作るのに6ヶ月かかってんだよね・・・わかる?6ヶ月だよ!それの間どれだけの手間がかかってると思ってるの?だいたい、最近ではゲーム作る人よりプロテクト解除する人の方が儲けてるっていう話じゃない。違法コピーを追放するために」というお説教が書いてあります。

しかも、この「追放するために」という文字列以降に入っているプロテクトチェックルーチンと、このお説教文字列をXORしないと、正式なブートルーチンにならず、プロテクトを外そうとすると必ずこれを読む事になります。まさに精神的ダメージを狙ったプロテクトといえるでしょう。

XZR
ゲーム中に村人に話しかけると「まさかコピーしてこのゲームをやってるんじゃないだろうな」と言われます。

▲ま、まさか・・・はははは・・・

ソフトでハードな物語2
終盤に「メンテおやじ」というキャラからクレーム電話で「おい、お前んとこのゲーム動かねえぞ。せっかくレンタルで借りてコピーしたのに。動かねえなら金返せ。」という電話がかかってきます。これに対してキレた主人公は「コピーした地点でてめえは犯罪者なんだよ。逆探知かませるから、そこで待ってろ」と言い返します。もし、コピーして遊んでいる人がいたら、かなりの精神的ダメージとなるでしょう。

ただし、ゲームではメンテ親父には下手に出ないとバッドエンドになりますので、ご注意。ここで電話で怒鳴ると、この後にモカシステムの評判は地に落ちて倒産する事になります。

テレネットMUSIC BOX
正規品ではブート直後「レノベーションゲーム」という音声とともに「RENO」というロゴが表示されるのですが、コピー版ではこの「RENO」のロゴのかわりに「コピーしたな!」という文字が出てきます。

▲「レノベーションゲーム」という音声とともに出てきた文字は・・・

とにかくチェックが多い

途中プロテクトの数がとにかく多く、プロテクト外し業者のコストを高くして採算を合わなくしてしまうという、わりと正攻法ともいえる手段です。

ウィングマン
あまりのチェックルーチンの多さゆえ、エキスパートFMではプロテクト解除ルーチンが相当な長さになっており、また、ファイルマスターFMではチェッカーを全て外すのをあきらめたらしく、ビット不安定のトラックをフォーマットしない事で再現するといった作戦に出たため、コピー先ディスクを1回でもフォーマットしてしまうと再現不可能になるという状態になってしまいました。

ペブルビーチの波涛
プログラムディスクのチェックルーチンだけでもかなりの量になっていて、さらに他のコースディスク(遥かなるオーガスタ、ワイアラエの奇跡、T&Eセレクション)をプレイする場合にも追加コースディスクがマスターかどうかのチェックまでしています。また、BGM演奏ルーチン内でもチェックしており、プロテクトにひっかかっているとBGMが変わるところでゲームが止まってしまったりもします。

ディスク容量の限界を超えたデーターを詰め込んでいるもの

アビス2帝王の涙
FMのBASICフォーマットは256×16セクタですが、ギャップをつめる事で256×18セクタや、512×9セクタ、256×8+512×5セクタなどが可能になりますです。しかし、アビス2は全トラック256×8+512×6セクタになっており、どんだけギャップを詰めても通常のPCについてくるドライブでは書き込めませんでした。

仕方がないので、最後の1セクタはあきらめて256×8+512×5という風に最後の6セクタ目を無視してコピーすると、ゲームが起動せずにゲームオーバーのCGだけが表示されます。

▲怖いって・・・

こればっかりは、特殊なドライブを使うか、あふれた部分を別のトラックに移動させるか、データーの圧縮をかけるか……、いずれにしても、1からゲームを作り直すような手間がかかってしまいます。中にはサブタイトルが「アビスへの逆襲」という、意地でもこのゲームをコピーしようとしたコピーツールもあったようですが…。

くりぃむレモン スタートラップ
全トラック256×19セクタとなっており、通常のドライブではどんだけギャップをつめても最後の19セクタ目が書き込めません。仕方がないので、最後の19セクタ目はあきらめて全トラック256×18セクタのみをコピーすると、タイトル画面と最初のシーンまでは行くのですが「まえにいく」コマンドを使った時点で、教官の顔のアップ(本来なら「あの植物を始末したまえ」というセリフの絵)が表示され、「・・・てなわけでーゲームオーバーなのさっ!」と表示されます。

▲だから怖いって・・・

マニュアルや道具を使うプロテクト

PC/AT互換機で動作するソフトでは、PC/AT互換機のFDC(フロッピーディスクコントローラー)にさまざまな違いが存在し、セクター長やセクター数を変えるようなプロテクトは作れませんでした。まして、トラックイメージリードはフロッピーディスクコントローラーによってコマンドが異なったり、コマンド自体がなかったりしたので、特殊トラックを使ったりギャップに値を埋め込んだりはできませんでした。

PC-9801シリーズも同様で、FA/FS/FXシリーズ以降とそれ以前ではフロッピーディスクコントローラーに違いがあり、FA/FS/FXシリーズ以降では従来のトラックイメージリード/ライトコマンドが使えなくなったりしました。

そこで、マニュアルに書いてある、あるキーワードを入れさせないとダメとか、マニュアルに書いてあることをよく読んでないとゲームが終了しないとか、そういうプロテクトが存在しました。これにより、フロッピーに特殊なフォーマットを施す事で互換性を損ねる危険はなくなりました。かわりに、正規ユーザーであってもマニュアルや道具を紛失してしまうとプレイできなくなってしまいました。

ポピュラス
オープニングで「盾」が出てくるので、盾の模様をみて、盾の名前をマニュアルから探して入力する必要がありました。


スーパー大戦略DOS/V
暗号表というものが付随してあり、オープニングで表示される「暗号コード」に対応する兵器を選択しなければゲームが起動しませんでした。さらに、この暗号コード表が、紺色に黒の文字で書かれてあり、複写機でコピーすると真っ黒になってしまいました。


△これが暗号コード表。読めます?



ただ、普通に読んでも、紺色に黒の文字は非常に読みづらく、さらに暗号表を紛失するとゲームがプレイできなくなってしまうという問題があります。また、暗号表は手書きするには厳しい量でしたが、キータイプの速い人にとってはテキストファイルに写すにはそう苦にならない程度の量でもあり、このプロテクトの効果には疑問が残るところです。

原宿アフタダーク
「主人公の警察手帳」というものが付録に入っていて、ここに最初から容疑者の電話番号が書かれていました。そして、主人公が容疑者に電話するシーンでは、この警察手帳がないと番号がわからず、先に進みませんでした。しかも、この警察手帳、リングファイルで複写機に入れづらく、レンタル品を分解するわけにもいかないので、自前のワープロなどで電話番号を写すしかありませんでした。

ルーンワース黒衣の貴公子
ゲーム中に「○○教の教祖の名前は?」とか、わけのわからない質問をたくさんされるわけですが、これはマニュアルをよく読んでないとわからないでしょう。

賢者の遺言
主人公がコンピューターと対決するシーンで、主人公はコンピューターの弱点をついた”ある行動”をとるわけですが、それはマニュアルを読まないとおそらくわからないでしょう。


あーくしゅ
キーロックを解除するシーンで、解除番号はフロッピーシールに書かれたシリアル番号だと言われます。

しかし、実際にはフロッピーに書かれているシリアル番号はどの製品も同じで、PC-8801版は手違いでシールに番号が書かれていない、X68000版では5択になっているなど、なかなか当初の計画通りにはいかなかった感じが見受けられます。他にも、沙羅がじぇだの好きな物を買ってくるシーンで、何を買ってきて欲しいかマニュアルを見ながら入力させる場面もありますが、これもX68000版では5択になっており、あまりマニュアルプロテクトの効果はなかったように思えます。


サイオブレード
フロッピー自体はノンプロ(256×18セクタ)なのですが、他に「メロディーモジュール」というものが同根されていて、これがないとゲームがクリアーできないようになっています。ゲーム中に曲がランダム流れその曲名を当てるのですが、メロディーモジュールを聞いてその曲名を調べなくてはなりません。

この場合、曲を覚えてしまうとメロディーモジュールは必要なくなるわけですが、レンタルで曲名を覚えるまで借りると相当の延滞料がかかってしまいます。ただ、録音されてしまうと終わりかもしれません。

リバイバー
ディスクの中でコピーユーザーに対してさんざん愚痴ってるリバイバーですが、ディスク自体のコピープロテクトの他にマニュアルプロテクトもかかっています。ある洞窟を抜けるシーンで、洞窟の入口が4つずつあり、正しい順番で洞窟に入らないとクリアできないようになっています。正しい順番はマニュアルにヒントが書いてあります。(かなりわかりにくいですが・・・)

強硬手段

くりぃむレモン 超次元伝説ラル
マスターディスクにはライトプロテクトタブがついておらず、絶対に書き込み可にはできないようになっていました。つまり、ライトプロテクトノッチが書き込み可になっている=コピー品である、と判断したのでしょう。とにかく、書き込み可の状態で起動するとディスクを破壊してしまいます。そのため、このゲームディスクをイメージ化した際には、必ず書き込み禁止属性をかけておかねばなりません。

ただ、このようなプロテクトは問題です。かつて、あるシェアウェアに、ネットで不正に出回っているパスワードを入れるとハードディスクを消去する機能を入れて問題になった事がありましたが、それにも近い状態です。

なにしろ、ドライブのライトプロテクトノッチ読み取り装置の接触不良等でディスクを壊してしまう危険があります。また、このようなプロテクををかけた場合、開発者達は当然書き込み可能な状態で開発しているたわけですから、ヒューマンエラーによるデーター損失の方が高くつく場合が多いです。

イタチごっこの行き着く先は

8ビットパソコンが世に出回り始めた頃、パソコンソフトのレンタル屋というのが普通に存在していました。しかし、レンタルが法律で禁止されると、今度は「疑似レンタル業」というものが登場しました。これは、一見中古販売に見えて、実は販売したものを翌日までに返却すると、販売価格の9割で買い取るといった実質レンタルに等しいものでした。その後、さらに法律が整備され、買い戻し特約やコピープロテクトを外すパッチは禁止され、レンタル業はほぼなくなりました。

しかし、それによってゲームソフトを不正コピーするユーザーが撲滅されたかといえばそんな事はなく、その後ゲームソフトのノンプロテクト化が進み、コピーユーザーもなくなる事はありませんでした。最後に残ったのは、現在のコピープロテクトを解除するだけで違法となる法律・・・そのためにコピー本来の目的「バックアップ」ができず、フロッピーが寿命を迎えるのをただ待つしかないという悲しい結末が待っていました。結局、これらのイタチごっこは、最終的には正規ユーザーにとって不利益を残してしまう結果となってしまいました。

ディスクをイメージ化した後、マスターディスクを破棄した上でエミュレーターで動かすためにパッチ当てを行うのであれば、それはメディア変換となりコピープロテクトの解除ではないのではないか、といった意見もありますが、確実にそうなる自信もなかった((C)クラピカ)・・・という状況なので、今は手持ちのフロッピーはカビないように保管しておくのが良いかと思われます。

現在は不正コピー対策として、インターネットを使ったアクティベーションというものが一般的です。これは、ソフトウェア自体はバックアップもメディア変換も、サーバーからダウンロードも自由にできるようにしておき、正規ユーザーとして認証された場合のみ使用可能になるというものです。なので、現在はコピープロテクトによって正規ユーザーが不利益を生ずる事はほぼなくなったと思われます。
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